そういうわけで本来なら北岳山荘に泊まり「北岳」と「間ノ岳」を歩いてスタートの「広河原」へと戻る予定だったのですが。
いつの間にか「北岳・間ノ岳・農鳥岳」を制覇するとともに、「奈良田温泉まで縦走する」という目論見になってしまったのでした。
まあ、ただこの決断を説明しておくと、まず第一に「宮園登山隊のポリシーに忠実であったこと」そして奈良田までは多少無理があるにしろ「ルート的にエスケープポイント(山小屋)」が存在し、メンバーの体力的に「そこまでは十分」という目算が立ったからです。
前回は農鳥岳まで歩きましたが、今回は縦走が終わって下山に入ります(上の地図で言えば大きく曲がっているあたりからです)。
【農鳥岳→大門沢小屋へ】
農鳥岳から大門沢小屋へは「下降点」という謎の石碑で左折して降りていきます。
その先のガレ(石でざくざくしてるってことです)た稜線を少し進むと、「遭難防止の鐘(人間より大きな台が組んであります)」のあるポイントから谷へと降りていきます。
このルートがかなりキツイルートです。
沢までの道ですが、ちょうど燕岳(ツバクロダケ)へのルートを思わせる「急坂(手も使わないと登れないところがいくつもあります)」で、しかもおそらくは今年(2014年)の台風で道の一部が崩れています。
危険度は高くないはずですが、転倒事故あるいは人為落石(あるいは自分が人に落とす)には十分注意してください。
僕たちは下りですから、ギュンギュンと高度が下がっていきました。
山道が終わると、沢沿いへと入っていきます……が!かなり広範囲に道にダメージがあり、危険箇所が数箇所あります。
人為落石もありますし、崖沿いの滑りやすい道もあります。
初心者なら選ばない事が最適ですが、経験者でも警戒が必要です。
大門沢小屋までもかなり苦労して降りて、遅めの昼食です。
このときは時間が予定通りだったので奈良田まで降りることを決定しました。
ここで注意が一つ、大門沢小屋まで降りると携帯電話はつながりません。
奈良田まで降りるつもりなら、この手前「山道から沢へと合流するあたり」で判断し、予約の電話をかけるべきでしょう(『docomo使えます』の看板がある辺りです)。
【教えてGoogle!! 「早川町 宿泊」で検索】
早川町近郊の宿の情報「早川町観光案内」(ただし、早川町も広いのでご注意を)
僕たちは結局、奈良田の宿には連絡(予約)ができないまま、下山していく事になります。
【大門沢小屋→奈良田】
大門沢小屋では名物の冷やしうどんをすすり、時間もないのですぐに出発です。
ここから奈良田への川沿いの道は「転倒注意」です、特に長距離を歩いてきていれば思わぬ事故もありえます(ただ注意が必要なのはほんの30分ほどです)。
問題はこのルート、かなり長いことです。
川沿いのルートを抜けると緩やかな森の道を延々と行くことになりますが、これが遠い!!
とにかく、飽きるほど道を進むことになります。
最後は、やはり台風の影響でしょうか?
砂防ダムが土石で埋まってしまっている場所に出ます。
ここは普通の天気なら危険はないと思いますが、インパクトのある景色であるのは間違いありません。
【あ、やっぱり?奈良田で迷走、『湯島の湯』に救われる】
登山口から出て、舗装道路をしばらく行くと携帯電話もつながるようになります。
時間は16時過ぎ、どの宿に連絡しても断られます。
そもそも奈良田は温泉街というより「谷あいの里」というべきところで、商店も酒屋(兼雑貨屋?)一軒しかないような場所です。
この時間からの予約は無理があります。
「とりあえず、バスに乗って北沢峠で山小屋に飛び込むか・・・」なんていう相談もしながら、地元の地図で見つかった「湯島の湯」へ連絡すると「食事はないけど?」という一声でOKになりました。
行ってみるとこれがすばらしい!!
要は「貸しロッジ」の設備なんですが、温泉はあるわ(温泉は21時まで)、冷蔵庫、電子レンジ、ガスコンロはある立派な一棟です(調べたところによると、地元の学校の校庭に出た温泉を活用した施設とのことです)。
山で余った食品もあるし、僕らには本当に「ちょうどいい」施設です。
(ちなみに「直売所」を併設しているので、ラーメンと温泉卵、お菓子や地元の産物-オススメは山椒のしょうゆ漬け-なんかなら販売してもらえます)
奈良田の登山口まで迎えにも来てくれたので本当に助かりました。
こうして、人の親切にも支えられて、3日目も幸福に終了することができました。
(私たちも、タバコかなにかで穴の開いた網戸を手持ちの「ナイロンリペアシート」で修理して善意に応え(?)れたのではないかと思います)
翌日バスを乗り継ぎ(奈良田→広河原→北沢峠→仙流荘)、無事に帰路につきました。
【まとめ-北岳縦走ルートについての感想】
北岳の周辺のルートは十分に近代化されており、美しいルートです。
稜線(山頂付近)までの『登り(下り)』斜度がキツイという問題はありますが、これはどの山でもある話なのでこの部分は覚悟とトレーニングでしのいでもらうべきでしょう。
ただし、整備されてはいてもここ数年については富士山の世界遺産化の影響もあり山小屋などの「インフラ」が間に合わない(象徴的なのは単なる週末なのに「一枚の布団で2名寝てください」)でしょうから、金曜日などに休みを取って「1日ずらす」のが最適でしょう。
ルートとしてははじめに(の記事の最後に)強調したように『広河原』に戻るルートが適切でしょう。
『広河原→(広樺沢)→右俣ルート→北岳→北岳山荘(一泊)→間ノ岳→北岳→広河原』というのがオススメです。帰りに『白根御池小屋』に立ち寄りソフトクリームを食べるのは良いアイデアだと思います。
農鳥岳まで行くのは自己責任で、奈良田への縦走は「スゲー遠い」という事を覚悟して、途中で+1泊できる予定で計画しましょう。
奈良田は良い温泉街です。
予約をしておけば迎えを出してくれる宿も多いので、足腰と日数に余裕があれば泊まるのも面白いと思います。
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