……そうそして全てのロールプレイングゲームの始まりである「Lord of the Rings」の創作ノートをまとめた本が昨年出版されました。
(ロールプレイングゲームは「チェインメイル」という騎士の戦いをシミュレーションするゲームに、指輪物語風の世界観を組み合わせた「ダンジョンズ&ドラゴンズ」から始まりました)
著者はですから「J.R.R.トルーキン」その人になっています。
【創作の秘密は「地図」に】
トルーキンはアフリカで生まれます。
オランダ系の移民たち(ボーア人)がイギリスの支配から逃れるために作ったオレンジ自由国のイギリス銀行の支店長の息子…オレンジ自由国の成り立ちから見ればイギリスの銀行があった事は驚きですが…として生まれますが父親が倒れてしまいます。
収入が絶たれたため一家はイギリス本土へと帰還し、現在のバーミンガム、ウースターシャー村では様々な野外活動に勤しんだという記録が残っていますし、その後も青年期にはスイスで長いキャンプ旅行をするなど本格的な冒険活動にも勤しんでいます。
・・・・・・と、いうのも当然かもしれません調度その時期は「野外活動」の勃興期で1908年「Scouting For Boys」とともにボーイスカウトも発足。
「シートン動物記」で有名なシートンも「ウッドクラフト・インディアンズ」という野外活動団体を運営していました(これは後にボーイスカウト活動と統合されます、「森の生活」「ウッドクラフト」の部分をスカウト活動に導入したのはシートンの優れた功績として知られています)。
話は脱線しましたが、トルーキンは「地図」からストーリーを作るタイプだったようで、この地図の上を主人公達がどのように移動するかを書き込みながらその物語と『世界』を創造していきました。
元軍人でもあったので「地図からの創造」が自然に感じられたのかもしれません。
『世界』地図から物語を、そして種族、言語などを緻密に構成していくスタイルは正しい意味で「地図で物語を語る」ゲームマスターの始祖(アナログのRPGでは必須のゲームの司会兼ストーリーテラー)と言えるでしょう(…と、ほぼ同時代のH.G.WELLSも忘れてはいけませんが、それは別の話で)。
まだ英語版しかありませんが、創作メモを「和訳」しても仕方が無いので、「世紀のストーリーテラー」が見ていた世界の「オリジナル」を見たければこれは「買い」でしょう。
そして買わなくても「地図から作ってしまう創話法」がスタートにあった事を知るだけでも深い価値があるでしょう。
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