「超初心者登山」ではしつこいぐらいに「化繊・化繊・化繊」と繰り返してきました。
ですが、野外生活では「化繊」だけではダメです。
化繊の「汗・濡れ(=冷え)」への対応力にプラスして「防御力」「耐火性」が必要になってきます。
【防御力・耐火性が重要】
特に耐火性が重要です、というのは「化繊のウェア」をベース(下着)に着るという前提は変わらないからです。
化繊のウェアには「アウトドアライフ」を支える上で致命的な弱点があります、それが「熱に弱い」ということです。
原料は「石油」なので、ちょっとした火にあおられると髪の毛同様「チリチリ」という事も珍しくありませんし、火の粉が飛んでくると穴が開きます(特殊な加工をした化学繊維で難燃性のものもありますが→ポーラテック パワーシールド)。
ですから「シェル(外殻)」として「羊毛」などの「難燃性素材」の「しっかりした生地」のウェアを選ぶ必要があります。
しっかりした生地とは「軍服」くらいのもので、生地に隙間がなく、一定の強度を持った物です。
生地の織り方は非常に重要で「表面起毛」は「表面フラッシュ(火達磨)」という現象をおこしやすいため、絶対に避けましょう。
特に「綿」はこういう「燃えやすい形」にするとあっという間に燃え上がります(とはいえ発火温度は450度と化繊がダメージを受ける温度に比べれば高いです)。
天然素材は概して熱に一定の耐性がありますので、安価な「綿」ジャケット、そして「メリノウール」などの下着がそろえられたら(メリノウールはフリース同様、汗にも強く乾きやすいのですが高価)快適面でも防御力の面でも効果的です。
【手袋も注意】
手袋にも注意が必要です。
なにも高い物が必要というわけではありませんが、ホームセンターなどで販売されている「皮製の手袋」を選びましょう。
『汗とすべりには』メッシュのグローブ、ただし野外活動としてみると『弱い』
「軍手」の欠点はなんにせよ「中途半場すぎる」ということです。
まず素材、安い物を見ると「ポリエステル」などが入っており、溶けはじめることもあります。
左がポリ入り、右の圧縮手袋などは純綿
次に「織物」なので、スキマがあり「尖ったモノ」に弱く、液体なども容易に透過します。
鍋をひっくり返したときに、軍手の上から大火傷、あわてて引っぺがすと皮膚も「ベロリ」とはげてしまう・・・・・・なんてこともあります、こういうケースでは手袋(布)の上から水をかけましょう。
安い物でも皮の手袋であれば、これらの欠点はほとんどカバーされます(そして、そういう安心感がミスを防ぎます)。
皮の手袋の上に「軍手」をすれば、『薄い皮手袋』の欠点である『断熱力の不足(熱いものを持てない)』を補うこともできます。
このように、「野外活動」では想定される問題のハバが広がりますから、外部からの影響をきっちりと排除して、内側のウェアや体への影響を排除する「防御ウェア」も必要になります。
(【実装編】に続く)
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