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20K自転車的「ヘルメットと保護帽の選びどころ」1/2

「ヘルメットの必要性」

自転車に乗る上で「どのくらいの」ヘルメットが必要かという話。
まあ、私はこれについては「ケースによる」と思っています。

ケースというのは、結局『どういう事故をヘルメットで防ぐべきか?』から判断する必要があると思います。

私の事故暦は某社タクシーの「突然の左折に巻き込まれた」くらいですが。

私の事故暦は某社タクシーの「突然の左折に巻き込まれた」くらいですが。幸い冬場で、手をついたがダウンと手袋が衝撃を吸収してくれました。

【自転車事故のケースを考えると】

結局のところ自転車事故のパターンは、オートバイの事故とほぼ近似と考えられるでしょう。

したがってヘルメットは「相当有効」だと考えられると思います。
英国の調査では、ヘルメットの着用で死亡率が4割下がったという結果もあります。

ただし、「自転車とバイクの持つ運動エネルギーの大きな違い」は念頭に置かなくてはなりません。

これが装備の『必要な程度』に影響を与えるはずです。

オートバイの事故で想定されるのは時速60km~、自転車の場合は速度はおそらく20~60km、車重も自転車は15kg前後に人間でまあ60kg前後、オートバイの場合は車重はおおむね+200kgになります。

簡単に速度は(ケースバイケースですが)『2倍』としてみた場合、運動エネルギー的には1/4になります、重量は75/260ですからこれは1/3程度。(まあ車両が事故に影響するかどうかは、それこそケースによりますが)

つまり想定されるべき事故時の衝撃(総エネルギー)は1/12となります。

もちろん、これは単独事故の場合ですがバイクのヘルメットだってトラックに挽かれた時の安全まで保証するわけではありません。

自転車で走行中にこの『12倍以上』のエネルギー差を衝突した車から瞬間で受けた場合は何をしても即死でしょう。

「ヘルメットで守るべきものは?」

現在のオートバイ用フルのヘルメットはおおむね1kg程度ですから、単純に重量から考えると自転車のヘルメットは100g程度のものでもかまわないということになります。

示唆的になのはオートバイ用のヘルメットは「硬ければ硬いほど良い」というわけではないことです、2kgを超えるヘルメットは実は規格を通りません頭におもりをつけるのは望ましくないのです(むしろ「エアバッグ付きライダースーツ」などの重要性が強調されます)。

もちろん、実際には「100g」で同じような「構造」が作れるのか?

という問題はありますので安易な比較は出来ませんが現実に「ヘルメットだけを強化する」事が全体で見て「最善」ではないことは理解すべきです。

まあ、簡単に言って自転車に要求される「頭部の保護」は想像以上に『軽い』ものになることがわかるでしょう。

自転車の車重の軽さは、「転倒した車両に引きずられる」事故を起こしえないということで自転車の『安全性』をより高めています。

【違い】こういうことは自転車ではまあない(自動車に引きずられる事故はありますが)

【違い】こういうことは自転車ではまあない(自動車に引きずられる事故はありますが)

【事故の統計】を見る

まあ、単なる「素人判断」だけでは不安もありますので、事故統計も見ましょう。

自転車の事故よりも怖い「自動車が歩行者と事故を起こすとどうなるか?」の統計はこの場合参考になるはずです。

人身事故の統計から判断すると、自動車の場合時速40kmまでの事故では『致死率』自体はほとんど0です(ただし、致死率は事故後24時間以内の死亡という定義があります)。

【速度と死亡率】こちらのサイトから引用

【速度と死亡率】こちらのサイトから引用

もちろん分母が大きいですから件数は出ていますが(時速40kmでの人身事故の死者 0.9%=83件)、限りなく0%に近いのです。

自転車のヘルメットの有効性の議論で出てくる「ヘルメットの有用性について統計上有意な結果が出ない」のはこういったところにも原因がありそうです。

つまり、自転車は「速度が遅すぎてそもそも死亡事故には到りにくい」のです。

(続く)


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