防災対策にはいくつかのフェーズがありますが、「そなえ」「(危険)回避」「回復」というステップがありますが、今回は『その時』の「危険回避」について説明します。
【DROP!COVER!HOLD ON!】
多分小学校でも習った「机の下に隠れる」ですがこれにも「正しいやり方」があります。
1)「しゃがむ(DROP)」
転倒し、貴重な数秒を失わないために先手を打って両手と両膝を付きます。
2)「机に隠れる(COVER)」
転倒してくるものや、転がってくるものから身を守るため机のような「ワク」の中に逃げ込みます。
3)「固定する(HOLD ON)」
入った机が剥がされてしまわないように「固定」します。この絵では足を押さえています。
地震発生時は家具やピアノも動きますからこれらの「Hit」から身を守るため、そして状況終了まで「カバー」を残すために「ホールド」しましょう。
アメリカではこの動きを徹底するためだけの「サイト」が存在するほどです。
http://www.dropcoverholdon.org/
ムキムキな消防士(ロサンゼルス消防局)の模範演技。
大切なことは「ちゃんと意味を理解して」訓練する事です、こういう時にニヤニヤしてしまうのは「地震の時に何が起こるのかもわかっちゃいない」という『愚かさ』を宣伝するようなものです。
全てが終われば、火の元を点検しましょう…必要がなければガスの元栓や、電気のブレーカーは落としておきましょう、復電したタイミングでショートしている部分が燃える可能性もあります。
(震度5くらいで揺れている時には身動きがとれないので何よりも「カバー」を優先してください)
【その他「べからず」集】
いろいろありますが「中途半端な事」はだいたいNGです。
「ドアの周りに立つ」ドアから外をのぞいて『どうするか逡巡する』のはNGです。
『壁に大きな穴』があいている部分になる「ドアの下」は壁や屋根が倒壊する可能性があり非常に危険です。
「普通の階段を使う」普通の階段を避難に使うのは危険です。
『非常階段(避難階段)』を使いましょう。
避難階段は大体地面から立てられた「金属製」階段になっていますし、「地震時に揺れて折れてしまう」のを防ぐために「建物との間に微妙な隙間(分離部)」があるのでわかるでしょう。
【命の三角形】
話題になった、「命の三角形」はケースによっては役立ちます。
比較的「築年数の古いビル、木造建築」などでは「弱いテーブルの下」に隠れるよりも写真にあるような「ビジネスデスク」や「ソファの横」などのスペース(⊿)に隠れるのが有効です。
ただし、姉歯事件の「耐震構造設計書偽装」建築が311で倒壊しなかったことから見ても先進国における「新しい」ビルは震災で倒壊する事はほぼありませんからどちらかといえば「カバー」を優先するほうが良いでしょう。
一番良いのは「ソファ」などの強固な家具の横に「カバー」のある避難場所を設定することです。
自動車の屋根も比較的弱く、大きな構造物が落ちてくる事態においては「自動車から降りて車台の横に伏せる」ほうが有効なケースもあります(が、トチ狂った車に突っ込まれるリスクもありますのでケースバイケースと言えます)。
なんにせよ、自分の置かれた状況を鑑みて「果敢な脱出行動」を選択するのが多くの場合『正解』でしょう。
人間はライオンではないので脅威と「戦う」よりも「逃げる」が正解な事は多いでしょうし、地震が相手なら熊でも「逃げる」でしょう。
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