そういうわけで二年ほど前に日本のベンチャー企業「Spiber(設立は2007年)」が実現していた新素材「QMONOS(クモノス)」のウェアがついに一般にもリリースされそうです。

【2013年】QUMONOSの発表会(全国郷土紙連合)
【蜘蛛の糸の強靭さ】
昔から蜘蛛の糸の強さは喧伝されてきました(実際の話で同じ太さであれば鋼鉄の5倍の強さ、それでいて1.5倍まで伸び縮みする柔軟性で「伸び縮みするケブラー」というような性質を持っています)、今までは「コスト」の問題もあり「実験」レベル以外ではこの「強靭な糸」が利用されることはありませんでした。

【蜘蛛布】コガネグモの吐き出す糸を集め、4年の歳月をかけて作られた布(Wired)
1990年代に米軍やNASAは研究レベルでは実現したという情報もありますが、その後は不明(量産ベースには載せれなかったのだと思います)。
高分子技術と遺伝子組み換え技術を凝らし「高品位の蜘蛛の糸を生産できる生体プラント」が実現したことでついに量産化に成功しました(蜘蛛の糸を作るのは遺伝子組み換えされた微生物です)。
【期待できる久々の未来素材】
ちなみにこういった生物由来の「タンパク質ベースの素材(原料に石油は必要なし)」というと代表的には「羊毛」「絹」があります。
アウトドアではおなじみの羊毛の持つ優れた性質「強靭性、耐火性、速乾性、防寒性」を考えると「単にアウトドア向けの新素材」としてのクモノスにもかなり期待ができそうです。
それだけでなく「蜘蛛の糸」に「カーボンナノチューブ」を添加すると強度がさら(3.7倍!!)に向上するという実験も行われています。
まさに「世界を変える素材」になりうるポテンシャルを感じます。
高機能新素材というと「地味」な感じもしますが、「ゴアテックス」のように『世界を塗り替えた素材』になる可能性もあります。
今回ノースフェイスで製品は試作されましたが、スパイバー社はゴールドウイン(こちらも日本の会社)とパートナーシップを取っています。
この「Moon Parka」の登場は2016年予告されています。
日本発の新素材に期待しましょう!! …でもこれいくらで出てくるのかな?