• 初めての方はこちらへ】『暑い時期には低山はやめておけ』『高山は夏でも20°、春秋には吹雪くぞ』……常識を拾ってからチャレンジしよう「超初心者登山」「20000円からのスポーツサイクル」レベルで"初められる工夫"を楽しんでいます。
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超初心者登山のもちもの【まずは三種の神器】

【もちもの】

登山を始める上でもっとも心配なのは皆さん装備、持ち物だと思います。

(→先に登山の持ち物リストが見たい方はこちらへ)
(→ハイキング用のもちものとシートはこちらへ)

→装備の購入方法
・・・→続けようと思っている人は野外活動保険も検討しましょう。

いくらかかるのか?何を買えばいいの?……本質的には山の道具は自身の経験で選び取るしかありません、しかしみなさん当然経験は無い……。

では、独断と偏見で述べる「これさえあれば行ける!超初心者登山3種の神器」をご紹介しましょう。
この装備で『自身の経験』を積んで、あれを増やそうとか、これを減らそうとか考えてください。

自分で経験し、自分で装備(戦略)を変えるというのは登山というスポーツの魅力の一つです、ただし減らすのは何年か経験を積んでからにしてください。

1)雨具

2)スポーツ用のウェア

3)登山用のリュックサック

三種の神器、雨具、ウェア、ザック!!!

三種の神器、雨具、ウェア、ザック!!!

えーと、登山靴とかは、この続きの「あれば快適!新三種の神器」とかで紹介する予定なので安心してください。

(はじめの靴は履きならした運動靴(ウォーキングシューズ)で十分です、但し運動靴は雨には弱いので悪天時は中止するなどの配慮が必要になります)

ではそれぞれいってみましょう、このパートは結構専門的なことを長々書いてありますが『覚える必要性はない』ので、それぞれ最後の『結論』だけを読んでもらっても大丈夫です。
しかし、結構な出費(まあ一番安い組み合わせなら2万円くらいですが)にはなりますので、「なぜこんなに高いのだ!?」という理由を納得するためには一度読んでも良いのではないかと思います。

では、解説は3位のリュックサックから始めます!

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1-“水も、着替えも、お弁当も”登山用のリュックサック(ザック)

アコンカグアのザック、某社のザックのコピーと評判

アコンカグアのザック、某社のザックのコピーと評判

<登山用のリュックサック(一般に『ザック』と言われます)を買いましょう、ポイントは簡単で「その1)25~35リットルで買うこと」「その2)腰ベルトの着いているものを買うこと」の2点です。

25リットル以上のものを買う理由ですが、25リットルあれば経験を積んで大きなザックを使うようになっても「日帰り登山用のミニバック」として長く使うことができるからです。

次に、25リットル以上のザックであればおそらくついていると思いますが、家の大きなリュックサックで済まそうとしている場合はこの『腰ベルトの有無』だけは確認してください。

腰のベルトが強いものが使いやすい(腰も痛くなりにくい)。

腰のベルトが強いものが使いやすい(腰も痛くなりにくい)。

ベルトがないと、全ての重量が『腰』に来ます。

ベルトがないと、全ての重量が『腰』に来ます。

これは『超初心者登山』とはいえども一人で500mlのペットボトル3本程度は持たなくてはなりませんし、着替え、雨具などを積み込むと結構な重量になるからです。腰ベルトがあると、腰への負担が和らぎ、疲労も抑えられます。

~ザックの結論~

値段は5000円くらいから20000円くらい。25リットル以上(でせいぜい35リットルまで)のもので、腰ベルトの着いたものを!!

パッキングについても少し知っておきましょう。

2-“オール化学繊維!!”スポーツ用のウェア

ユニクロのスポーツウェア2990円

ユニクロのスポーツウェア2990円

ウェアは全て化学繊維(ポリエステルとか)100%のスポーツモノで揃えてください。”着心地が悪いんじゃない?”と言われると、もちろん、綿の超高級シャツに比べればおちると思いますが、今の化繊スポーツシャツは繊維の作り方、織り方が改善していて昔ほどの違和感を感じることはなくなりました。

これは登山では必ず発生する”汗”を効率的に逃がすために必要な事です。

そしてこの“汗”をうまく逃がす事は、実は「生死を分ける」ほど大切なことなのです。こう言うと「綿のほうが汗をよく吸い込むから良いんじゃないの?」と言う人が必ずいます。

もちろんそうです、もしも着替えのシャツを10枚、20枚と持って登れるならそうだろうと思います(そして汗で濡れて「重し」のようになったシャツを担いで歩くならそうです)。

問題は『綿は乾かない』という点にあります、これは『速乾(綿にしては速く乾く)』と書いてあっても同じです。

汗が乾かないと、人間は体温調整がうまく働かなくなります。
『汗が蒸発するエネルギーで、体温を下げる』というのが人体のメカニズムですが、あまり乾かないためさらに汗をかき続けることになります。

こうなると、体が大量の汗で濡れて不快です(そしてケースによってはこれが命にかかわります)。

g.u.のスポーツパンツ、ハーフだと冬は寒いのでレギンスもいるね590円

g.u.のスポーツパンツ、ハーフだと冬は寒いのでレギンスもいるね590円

さて、でも実は綿のシャツも天気が『非常に良い日』にはあまり問題を起こしません。
なので『昔、学校の登山ではそれでも大丈夫だった』と綿のシャツを着てくる人は……しかし、大体後悔することになります。

確かに1日中日が照り、日差しを浴びるとさすがに綿のシャツとはいえ乾いていきます

でも、朝は晴れていたけれど昼頃から曇って肌寒くなってきた……となると話は違ってきます!!!
「始めに」でお話したとおり山には『夏』はありません。

春や秋の晴れた日は、夏のように暑い思いをしますが、日が陰るとヒンヤリとしてきます。

そのときに汗に濡れたシャツを着ていると、ダブルで体は冷えていきます

本当に大の大人がガタガタ震えるほどに冷えます。

私自身も一度トライアルでやりましたが、その日は朝の6時から歩き出して、11時くらいから曇って来ました、綿のワッフル生地で速乾とされているシャツでしたが全くダメで、8月にトイレに直行してお湯を飲むことになりました、ちなみに遭難死の一つのパターンである”夏の疲労凍死”はこれをさらに3時間ほど続けると発生することになります。

なので『化繊100%のスポーツウェア』を必ずそろえましょう。

化繊のスポーツウェアは現在非常に多くのメーカーで作られています。
山用である必要はありません、ランニング用でも、フットサル用でも結構です(もし家にあるシャツや下着がそうであればそれを使ってしまえばOKです)。

あと、トップスは長袖にしてください。これは日焼け対策に非常に有効です。

ユニクロの誇るサポートソックス790円

ユニクロの誇るサポートソックス790円

下着とシャツを2~3セット用意しましょう、その日程で着る枚数+1枚が目安になります。

1セットははじめに着るので、日帰りの場合は1セット予備をザックに入れればOKということになります。

靴下は厚手のものだと足をよく保護してくれます。パンツは1枚、化繊のスポーツパンツは、絞れば「はけない事も無い」程度に乾くものがほとんどなので、着替えは必要ないと思います。

ユニクロの誇るヒートテック990円

ユニクロの誇るヒートテック990円

これにヒートテックなどの発熱タイツとシャツを1枚だけ用意しておきましょう。
さらに防寒具として、家にあるフリースか薄手のダウンを1枚ザックに入れれば完璧です!!!
登山の場合の装備(特に衣服)はその時期の山で朝まで問題なくビバーグできる『防寒力』を目標にします、登山ではめったに使うことは無いと思いますが、山の上で食事などをする場合(歩かなくなると途端に体は冷え始めます)には必須の装備になります、必ず備えてください!!

さて、実際どこでも買えるこれらのウェアなのですが山の道具屋さんでは山メーカーの高価なシャツや下着、発熱素材のウェアなどが売られています、価格はなんと5~10倍!!!

これにはどういう意味があるでしょうか?
まあ価格の半分はブランド料です、が、しかし残り半分はやっぱり性能です。

例えばユニクロが有名にした発熱ウェア=”ヒートテック”ですが、ミズノは同じような製品を“ブレスサーモ”という名前で出しています。

価格は数倍の差があります。
これはやっぱりユニクロがすごいというところもあります、ウェアを大量生産で非常に効率的に作っているからです。
しかし、ミズノのほうが使用しているベース素材が良く(何より大きいのはレーヨンを入れていないこと)、同じシャツ1枚でもより多くの発熱素材を使っていたり、またその発熱素材をより効率的に働かせる工夫(主に編み方です)がなされています。

もうユニクロも何年もヒートテックをやっていますから、かなり追いついていますが、それでもスポーツウェアや専業の山メーカーは様々なノウハウを持っており、高性能な製品を送り出しています。

……しかし、夏の間だけ高山のメジャールートを歩き、春・秋は低山やハイキングコースを巡るという“超初心者登山”ではユニクロ、g.u.のウェアでも大きな問題は起こさないはずです。

~ウェアの結論~

少なくとも体に直接接する部分は全て100%化繊のスポーツウェアを!!
(ユニクロのシルキードライのようなペナペナのはダメ、スポーツウェアは汗を上手く吸い上げるようにやや厚みのある織り方をしている生地が使われています)

とりあえず!!……ならg.u.かユニクロスポーツ下着・シャツ(2~3セット)+ジャージ地のパンツ(フットサル用のが出ています)+ヒートテックのタイツ、シャツ、まとめて3000~7000円。

もしも、お金に余裕があれば山メーカーのシャツを1枚持っていくと性能差を感じる事ができます、1枚3000円~。タイツもskins(8000円~)などを持っていくと”高性能”を感じる事ができます。

これに+防寒具は家にあるフリースか、薄手のダウンを!g.u.のスリムフィットダウン位のものがおススメです。

これらの服は全て濡らさぬように、分けてビニール袋に入れてからザックに入れておきましょう!!

3-“厳しい環境から身体を守る最強のバリア”雨具

製品よりもロゴが大事?ゴアテックス

製品よりもロゴが大事?ゴアテックス

パンツはストームクルーザーか少し抑えてサンダーパスでも良いかと思います。

→どうしてもお金がない!!!という人はポンチョという選択肢もありますが、当然最良の選択ではありません)

超初心者登山において雨具は身体を自然環境という”ハードな”環境から守る最強の防壁です。

(この項目は結構気合の入った説明なのでよくわからない場合は読み流しても結構ですが、安いものでは無いので理解しておくと納得感は高まると思います。)

雨具購入のポイントで大切なのは実は一つだけです“レインウェアは必ず『防水透湿性素材』で作られたものを購入しましょう。”ということです。

なぜ防水透湿性素材なのか?

この素材は水蒸気を通し、水を跳ね返すという特性を持ちます。

簡単に言えば『雨を跳ね返し、汗を逃がしてくれる』という機能を持ちます。

特に寒冷な状況では抜群の性能を発揮し、この場合本当に「まったく体は濡れない」状態を作り出すことができます(但し暑いときは別です、残念ながら高温多湿の中で登山のようなハードな運動をした場合の汗は量が多い上になかなか蒸発しないからです、まあでもこの場合は命にかかわるような事にはならないので見逃してやってください)。

とにかく、『防水透湿性素材』の雨具しか選択肢は無いのだ!……と覚えてください。

防水透湿性素材は有名なゴアテックス社の“ゴアテックス”や東レの提供している“エントラント”、日本の代表的なアウトドアメーカーモンベルの擁する“スーパーハイドロブリーズ”なんかがあります。

モンベルの独自素材を使ったスーパーハイドロ レインウェア

モンベルの独自素材を使ったスーパーハイドロ レインウェア

違いは『値段』と『寿命』、そして『細かい造り』です。

ゴアテックスの雨具はほかの雨具に比べると大体商品価格が+12000~15000円です、ただしゴアテックスマークの着いた商品には二つの大きな利点があります。

それはまず寿命、ゴアテックスのマークの着いた商品は通常使用での寿命はなんと『無期限』です。

実際古いウェアであっても、漏水があった場合修理か同等品との交換、あるいは返金という対応がなされています。

ただし、”破損”の場合(例えば破いた、とか転んで削ってしまった、とか)はこの限りではないので実際に永遠に保証されるわけではないのですが、それでも今までの事例から『10年程度』は保証されます(仮にまったく傷つけず、きちんと保管していれば実際に永久保証されるはずです)。

次に、『品質』ですゴアテックスは上記のように保証期限を設けていません、しかもメーカー(例えばコロンビアとか)の対応が悪ければ、ゴアテックス社に相談すればメーカーそっちのけで修理や、改造をしてでもゴアテックス社の約束した条件『ゴアテックス製品は外部からの水が体を濡らす事が無い』を達成します。

なぜならゴアテックスの保証は、単に「そういう優れた素材である」というものではなく、ゴアテックスマークのついた最終製品は全て『外部からの水が体を濡らす事が無い』事を保証しているからです。

ですから、山の道具屋では必ずゴアテックスの製品を薦められます。

ゴアは言うなれば”レクサス”や”ベンツ”と同様”世界最高”を意味するブランドなのです!!!!!

……ですが、僕の使ったところではエントラントの雨具も、ハイドロブリーズの雨具も性能自体はあまり変わりません、世界有数の雨大国日本の雨具は実に優秀なのです。

ミズノの独自素材を使ったストームセーバー

ミズノの独自素材を使ったストームセーバー

始めに書いたとおり、厳しい環境から身体を守る最強のバリアーを”世界最高”のものにするか”日本の技術”に託すかは個々人の判断になってくると思います。

(さらに細かい解説 ゴアテックス / その他の素材

→さらに世の中にはこういうことを自前で検証してしまう人も居ます。

……で、ここまでの話は主に『ゴアテックスvsその他の素材』の話になっていましたよね?

ここからは少し、メーカーの話をしましょう。
ええとまあ、細かいことは言いません(はじめにお話したように素材が性能の大部分を占めるからです)。

ただ一つ言えることは海外メーカーの雨具を買うときにはゴアテックス製品にしたほうがよいという事です。

残念ながらアメリカやヨーロッパでは日本のように粘っこい雨が降りしきる土地はあまりありません。

なので、雨具の作りが雑いイメージがあります。

しかし、デザインは多彩で美しい造りにはなっています、ですから好みで海外メーカーを買いたい!という場合はゴアテックスにしておくと、いざという時(買って1年で肩の縫い目から水が通ってくる!とか)も安心です。

あとは山道具のメーカーの製品(好日山荘などに置いてあるマムートとかモンベルとかです)とホームセンターなどに置いてある雨具の違いですが、これは細かな造りが『有るか無いか』です、この小さな工夫の有無が結構大きいのです。

一番大きいのは『頭周り』と『腕周り』です。

ホームセンターなどで売っているエントラントの雨具

ホームセンターなどで売っているエントラントの雨具

頭周りはすごくハッキリ違いがわかります。
まず、山のメーカーの雨具の場合必ずフードに小さなツバ(ヒサシ)が着いています。

これだとキャップなどを被らなくても少々の雨なら顔が濡れません。

次に、山のメーカーのフードはフードを頭に添わせて『絞る』機能があります。

フードが頭にフィットさせれるわけですが、これにどういうメリットがあるかというと、横を向いたときにフードも頭にそって動いてくれるので、視線をさえぎらないという効果があります(まあついてなくても、フードの下にキャップを被れば同じような働きをしてくれますが)。

また、顔の前の絞りも絶妙に調整されていて、ほとんど目の周り以外をフードで隠せたりします。

こうすると、強い雨でも首元からの浸水を防げますし、寒さ対策にもなります。

……で、山道具のメーカーの間ではこの『絞り方』でいろいろな工夫をし、より軽量、より簡単で、より柔軟な調整ができるような工夫をして激しくシノギを削っているのです!!

まあコーナンなんかで売っている雨具はこのあたりは期待できないので、『まあ、安いものね』と思いながら使うしかありません。

腕周りについて少し話しておくなら、山メーカーのモノはザックを背負いやすい形になっていますし、『ベンチレーション(排気口)』と呼ばれる開閉可能なジッパーの穴などがついていたりします。

~雨具の結論~

必ず『防水透湿性素材』と書いてある雨具を買う。

おススメはお金があればもちろんゴアテックス!ですが無ければ、山メーカーの安い雨具。
ゴアテックスなら25000円~70000円位、安い雨具なら10000円程度で上下そろうはずです。

どうしてもお金が無ければホームセンターで売っている5000円くらいのエントラントの雨具を買いましょう(その場合キャップを持つほうが無難です)。

ちなみに、ジャケットとパンツをきちんと揃えてください、海外のメーカーの場合別々に売っている場合があります!!!

続きは【その他のもちもの】!!!

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