超初心者登山の技術【ビバーク】その1『装備をフル稼働させる』

登山で昔からよく言われる笑い話

「ある遭難者が季節はずれの冷え込みの夜に遭難し燃やすものは何も無かったので力尽きた・・・・・・しかしそいつの荷物からは大量の鉛筆が見つかったんだぜ。」

【使える物は使う】必ずしも「専用の燃料」である必要はない。
【使える物は使う】必ずしも「専用の燃料」である必要はない。

この話は訓話で、要は『使えるものは何でも使う知恵が必要』という事が言いたいわけです。

鉛筆は書くものですが、燃やす事も出来たかもしれません。

【落ち着いて『遭難』を認めるのが大切】

また、これは事例ですが遭難者は『乾いた服を持ったまま死ぬ』事も多いという事。

生死のかかる『プレッシャー下』でのパニック、視野狭窄は非常に強く・・・・・・そもそも『遭難した』という『事実を認める事』自体も難しいくらいです。

ですが、勇気を持ってそれを早く認める必要があります。

問題を『無視』しても、『それ』は無くなったりしません、認めなければ結果が『運任せ』になるだけですよ。

【ビバークを決める】

ビバーク(緊急野営)は「状況が改善するまで条件の良い場所(探す、作る)で、体温、体力を温存する」一つの方法です。

ただし、行動が可能な条件が整っているなら、無理にビバークをしないほうが良い時もあります。

動きを止めると、体温は当然降下します。

体温の低下が一定以上になると、逆に体力を急速に失う結果になりかねません。

防寒装備が不十分であれば、多少のリスクはあっても動き続けたほうが良いこともあります(装備に比較して気温が低すぎる場合は木の影などに隠れて風を避けながら、朝までその場足ふみをするような「ビバーク」もありえます)。

行動可能かどうかは、「天候(雨?雪?風?)」「視界のよさ(明暗、霧)」「ルートの状況(路面の状態は?崖などの危険箇所はある?)」と、自分の装備・能力で決まります。

私の友人の父親は、少しでもダメそうと思ったら『どこでも即テントを張る』人だったと言います。

上高地から、涸沢までの『超初心者ルート』と僕がおススメしているルートの山道上でもビバークした事があるそうです。

判断は・・・・・・この場合のように十分な装備があるならば、これくらい過剰でも良いでしょう。

【場所を探す】

場所を探しましょう。

風に直接当たる場所は避け、水の通り道になるような場所(川沿い、道路上で水路になっていそうな場所)などをよけます。

木の影ややぶの中、岩陰でも構いませんが、洞窟はモノによっては崩落の危険性もあるかもしれません。

上高地(横尾)=涸沢のルート上、このように水路になってしまう箇所もある。
上高地(横尾)=涸沢のルート上、このように水路になってしまう箇所もある。

【装備をフル稼働させる「すべての服を着替える」】

さて、ビバークを決めたら服をすべて着替えるべきです。

雨などの状況によっては困難ですが、この場合「レスキューシート」などを駆使して一時的に雨除けをして着替えてしまいましょう。

行動中の汗に濡れた下着を着替えると、体がグッと温かくなるのを感じるはずです。

このサイトで推奨している持ち物リストで言えばビバークに関連しそうな装備はこの部分です。

□ スポーツ用のウェア
○ スポーツ用の下着 +1セット(着替え兼予備、泊りの山行などで1回着替える予定があれば2セット)
○ 防寒具(薄手のダウンかフリース、夏なら厚手のシャツなど)
△ ヒートテックのタイツ、シャツ
○ ビニール袋(ジップロック)、旅行用袋(上のそれぞれを入れる)<百>

△ ビバークグッズ
(○ レスキューシート<百> ○コンパス ○救急セット ○使い捨てカイロ<百> △ 細引き(テントロープ) △ ナイフ △ クッカー類 △ ストーブ △ライター<百> △ 軽アイゼン<山>)

1)スポーツ用の下着を着た上に

2)ヒートテックのタイツ、シャツを着ましょう。

3)その上にズボンやシャツを着て

4)防寒具を着込みます。

5)最後にレインウェアを着て

6)レスキューシートで体をくるみます。

Eco Ride World アルミシート アルミブランケット サバイバルシート
SOL(ソル) ヒートシート エマージェンシーウ゛ィウ゛ィ1人用 12133

今は100均でも売っているレスキュー(エマージェンシー)シート、開発はNASA

登山靴のヒモはやや緩めて血行を促進しましょう。

座る(寝るのはおそらく体温を低下させるのでおススメできません)場合は、ビニール袋や救急セットなどから壊れやすいものを取り出して下に引きます、『地面からの冷え』をどう防ぐか?が一つの大きな鍵になります。

一回トレーニングなどもしてみましょう、「エマージェンシーシート」だけで寝るとかは無理なのがよくわかると思います。

手足はザックの中に突っ込んでおくのも良いでしょう。

丁寧に姿勢を作って、一番暖かい姿勢(シートのかけ方、木や窪みへの体の置き方)を探します。

使い捨てカイロも使い、『十分に暖かい』状態になったら眠ってしまっても構いません(ちなみに汗をかくほどなら、ウェアの着脱ぎで調整してください、特にヒートテックを着ている場合・・・ヒートテックは実は「速乾性は弱い」からです)。

大切なのは・・・・・・

「事実を認める―『違うんだ、違うんだ』とは思わず『ああ、これは遭難だ』と認める。あわてない・あせらない。」

「すべてをリフレッシュする―面倒でも、それどころではないと思おうが、服は着替えましょう」

「工夫を凝らす―上に書いた内容だけでなく、必要ならもちろん焚き火などをしても構いません・・・・・・が、登山のウェアはほとんどが石油化学製品なので火に弱いことに十分配慮して、山火事などを起こさないように注意する事。」

・・・・・・という事です。


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