コラム「ダウンジャケットの話」

寒い季節がようやっと始まりました。

ふわふわと軽くて暖かいダウンがうれしい季節です!

そういうわけで、ダウンについての小話をひとつ。

ダウンとフェザーの画像、ダウンのほうが高級品

 

【断熱するのは空気】

地球上に存在する防寒具のほとんどは、「空気」の力で断熱する構造のものがほとんどです。
「空気(気体)」は「液体や固体」と比較すると『はるかに密度が薄い』から「はるかに熱を通しにくい」のです。

 

風が吹くと寒いのは、たとえわずかな熱しか通さないとしても、せっかく暖めた体の回りの空気が次々に入れ替わるからです。
ダウンはその羽毛の隙間に空気を貯め、暖めた空気を上手く保持します。

 

ダウンジャケットはそういう意味では「空気層を体の回りに保持するバリアー」と言えます。

 

余談ですが造ることが可能であるとすれば、「真空」を利用した防寒具があれば(当たり前ですが)はるかに保温率は高まるはずです。

 

【なぜダウン?】

なぜダウンは優れた防寒具の中綿になるのでしょうか?

断熱するのはあくまでも「空気」だというのになぜ『ダウンが良い!』のでしょうか?

 

それは、「膨らみ」がもっとも大きく、その中でもっとも軽いからです。

 

化学繊維の中綿も、進歩を続けいずれダウンを追い越す軽さと膨らみを実現せんとしていますが、現在のところダウンほどの軽さと膨らみを実現できずにいます。

 

今化繊の中綿のジャケットを選ぶ理由があるとしたら、「防寒力」ではなく、「水にぬれても大丈夫」というような扱い易さや、寝袋の下面のように抑え付けられる面に「タフさ」を買われて使われます(化繊のほうがタフにつくれます、化繊の断熱材で一般的なのは発泡スチロールで、これらは魚屋などで、保温と中身の保護の両方に使われていますよね?)、あるいは単に「安さ」のために採用されるのです。

 

現在のところ、天然の「ダウン」が、地球の防寒具として最長の歴史(鳥類の誕生から考えると数億年)と、性能を誇っているのです。

 

【フィルパワー】

ダウンジャケットの性能を決定する数値としてたまに目にすることがあるのがこちらのフィルパワー(FP)
さて、しかしこれは実は防寒性能を直接表す言葉ではありません。

 

はじめにお話したように断熱するのは「空気」、空気の断熱力が製品(モンベルのダウンとユニクロのダウン、ノースフェイスのダウンに入っている『空気』が違うはずありませんよね?)によって異なるとは思えません。
しかし、空気の層を厚くすることはできます。

 

中綿が「より大きく膨らめば」よいのです。

フィルパワーは同じ重さの(1オンス=28gの)ダウンが、どれだけ膨らむかを示す数値です。

 

【モンベルより】ダウンのFPによる膨らみの違い。

【モンベルより】ダウンのFPによる膨らみの違い。

650FPであれば1オンスのダウンを計器に入れて3日計測した結果が650立方インチ(おおよそ10リットル)に膨らんだ事を意味します。

 

28gの羽毛が10リットルに膨らむ!!!
イメージでもそれが軽くてふっくらしているのがわかると思います。

 

【ダブルスタンダード】

さて、でもよく見てみると、アウトドアのウェアでもFPが高いグループと低いグループが存在するのに気づかれると思います。
ブランドによって650~800という会社と、750~900という会社が存在するのです。

 

これは、会社の技術力を示している……かどうかはわかりません。
実は車の馬力などと同じく、ヨーロッパフィルパワーとアメリカフィルパワーでは最終数値が10%前後異なるのです。

 

900アメリカフィルパワーの製品はヨーロッパの800FP製品と同等と考えられます。

まあ大体650FP(ヨーロッパFPで550程度)以上のものが高級ダウンと考えられ、900FP(同800FP)が最高級品です。
(あとはダウンの素性、生産地で値段が違ったりもしますが、そのあたりは個人でお調べください)

 

【メーカーのスキル】

ダウンジャケットの製品の基本を決めるのがダウンの品質(と量)ですが、当然ジャケットにするときにはそれをパックして体に沿わす形に縫製する必要があります。

 

雨具でも「細かな造り込み」が意外と大きいとお話しましたが、同様に、ダウンにも細かなつくりが存在します。
ウェアとしての着やすさとともに、生地の強度、軽さ、そして撥水・防水性や、耐風性です。

 

天然のダウンは通常製品にする段階で『脱脂』してあるため水に弱く、ぬらすと防寒力がなくなってしまうので撥水・防水性は装備としてのタフさに大きく影響してきます(モノによってはダウンを『脱脂』した後『再コーティング』して撥水性能を高めるような工夫をしてあるものもあります)。

 

【ケーススタディ】

では最後に一般的な羽毛製品のFPを列挙していきましょう。

 

・安売りの羽毛布団(350~450FP) 大体アメリカ基準
・百貨店で売っているようなダウン(450~650FP) 大体ヨーロッパ基準
・ユニクロのULダウン(650FP) おそらくアメリカ基準
・モンベルのダウン(800FP~1000FP) アメリカ基準
・ミズノのダウン(900FP) アメリカ基準

 

アウトドアメーカーはほとんどが最高品質のダウンを投入していて、あとはダウンの量と生地、そして縫製の技術を競う段階に入っています。
量も「単に多ければ良い」というものではなく、「そのウェアの最適幅」の中での多少を調整するということになります。

 

そういえば今(2012年冬)、Amazonはクリスマス商戦モードでダウンも値下げされてるんで、いろいろ見てみてください、アディダスは登山用品とかに参入したけど上手くいっていないようで(銀座の店舗も閉鎖するし)特に値崩れしてます。アディダスダウン1 ダウン2

 

【ダウンとフェザー】

あまり、アウトドア系の製品には関係ない世界ですが、ダウンのボリュームを増すために安価なフェザーを混ぜるケースがあります。
ユニクロもたしか10%はフェザーを入れていたような気がします(10%程度であれば水増しというわけではなく、普通の事のようですが)。

 

ちなみにダウンとフェザーではダウンがはるかに高級品、膨らむ力がまったく違いますし、一羽の鳥から取れる量もまったく異なるからです。

ちなみに布団の世界では羽根ぶとんと羽毛ぶとんという表記の違いがあり、羽根ぶとんはフェザーの比率が50%以上のものを、羽毛布団はダウンの比率が50%以上のものだそうです。

 

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