超初心者登山の技術「事故は難所の前後で起こる-安全地帯まで緊張感を維持し、二つの事を同時にしない」

そういうわけで、唐松山荘で「ドキュメント 滑落遭難」を読んでおったわけですが、そこで意を新たにしたのは「事故は難所ではなく、その周りで起きる」という事です。


このサイトで提唱している「超初心者登山」は『安全で美しいルートを選定する』事で危険も事故も最小化させようという考え方です。

 

実際に選定コースの「上高地→涸沢」や「西穂高ロープウェー→西穂高山荘」はたまた「立山(室堂ハイキング)」では一般に「ケガ」はあっても「(死亡)事故」になるところがほとんどありません。

【前提】段差はどこでも危険(知人も道でコケて骨折しています)。

しかし、逆に標高的にはその三分の一の低山でも危険な箇所はありそこに「油断」があれば十分に(しかも上に上げた三つのルートで起こりうるよりも大きな)事故につながるのです。

 

そういう意味では超初心者登山のレベルでは「一見安全に思える」低山こそ気をつけて歩くべきです(もちろん危険な高山も沢山ありますが)。

 

【安全に気をつける方法】

「安全に気をつける」ためには『難所』だけで緊張するのではなく、『安全な場所』まで緊張感を継続する事が重要です。

【コントラスト】左の写真の崖を上がりきった後、右の写真の崖に差し掛かると心情としては「ややほっと」する、こういう錯覚は要注意。

リーダーは「この崖は危ない」というのではなく、

「ここから先は鎖や階段もありますが、どこで落ちても危険だから『次の休憩までは』緊張感を持って慎重に進んでください」と言う方が良いでしょう(そして当然こまめに休憩を取るべきです)。

 

難所の直後はまだまだ高低差がありますし、「今までよりはマシ」でもよく見ると「ブッシュの向こうには崖が透けて見えている」ようなところも多くあります。

【ふとしたところが空いている】山道では崖でもすべてに手当てがされているわけではない。

また「鎖やハシゴ」に「掴まるところ」や「離れるところ」には注意しましょう。

先週岳沢ロッジの上にある重太郎新道のハシゴ場での事故では「ハシゴにとりつくところで浮石を踏んで転落」したという事です(重太郎新道はかなり長いので疲労もあって「ふらふらと」ハシゴによってしまったのではないかと思います)。

また、上の「ドキュメント滑落遭難」で紹介されている事例では「ハシゴから降りたところでたたらを踏んでそのまま崖に落ちた」例が紹介されています。

 

もう一つは誰でもわかっている事ですが「ながら行動」はしない、という事です。

誰もがわかっているのですが、「遅れるとまずい」と焦ったり、「ああ、雷鳥が!!カメラカメラ……」と焦ったりするとつい歩き「ながら」服を脱いだり、動き「ながら」カメラを取り出したりしてしまうわけです。

【アイゼン必着!!】看板と雪渓、「少し手を抜く」事が危険につながる。

危険箇所ではこれらの行動を禁止するべきでしょう。

チーム全体で意思疎通(会話)する余裕のある速度で行動し、写真や服装の調整が必要なときは「声をかけてみんなで止まる」事を同意しておくべきです。

 

確かに狭い山道で写真ばかり取っていたら迷惑ですが、良いところで1~2枚の写真は取りたいのが人情でしょう、その折に「何とか何事も無かったようにコソッと写真を……」と「ながら行動」をして命を危険にさらすのは……あまりにも無意味な命のかけ方でしょう。

 

【どこにでも危険はある】

僕も一度、北穂高からの下山中に無理に道を譲って登山道上の80cmほどの段差を滑落した事があります。

【白馬】後立山連峰は全体として「西側」は丸いが、「東側」は崖になっていることが多い。

少し下がって相手を待てば良かったのですが、相手も強引に突っ込んできたのを避けようとして一人でコケました(笑)

無理な動きをしていたのでヘンな落ち方をしてしまいしばらく悶絶、まかり間違えば身体の下敷きにした肘を骨折か脱臼かしていたかもしれません(僕の体重とザックの重みが一点にかかるわけですから)。

 

かくのごとく『危険』はどんなところにも(山道にある大きな段差にも)あります、そしてそれを事故につなげる「ながら行動」「無理のある行動」を誘発するのは『疲労』や『焦り』です。

【標準的な山道】ちょっとした「無理」が事故につながる。

危険箇所においては自分自身は「意識してゆっくり丁寧に動く」事を、リーダーとしては「メンバーを追い立てない(引っ張らない)」行動を意識しましょう。


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