ダイエットを進める上で、避けて通れないのが『運動』です。
しかし、私の仮説では単に『カロリー消費』を増やす意味での運動はあまり意味がありません。
■人間が『痩せる』方法
~INPUT/OUTPUT/Generationの改善~
人間が痩せるためには誰でもわかるいくつかの方法が存在します。
Ⅰ.【INPUT制限=食べる量を減らす】
即身仏から、栄養失調まで、食べる量を減らせば体重が減る事は間違いなさそうです。
しかし、【単に食べる量を減らす】という選択をすると当然のように体が壊れてしまいます。
食べ物の中には大雑把に言って、炭水化物(エネルギー)、たんぱく質(アミノ酸)、脂質(コレステロール・脂肪酸・中性脂肪・リン脂質)、さらにビタミン、ミネラルが含まれています。
しかし、現代人が不足させがちな要素、一部の脂肪酸やコレステロール、ビタミン、ミネラルを【断捨離】してしまうと健康もパージしてしまうことになりかねません。
食べ物を無作為に減らすのは間違いです。
食べ物の中で摂り過ぎなのは「炭水化物」です、そしてその中でもうどんやラーメンなどの精白されて一度分解された食品は特にエネルギー吸収が良いため避けるべきでしょう。
これに比べると米、特に精白されていないものはさまざまなミネラルやアミノ酸、脂肪酸を含むため健康維持に有用とする識者もいます、僕もおおむねそういう考え方です。
ですから食生活の改善で一番簡単なのは「うどん」などを日常的に食べるのはやめてしまう事、「白ごはん」を減らす事です、ランチの時僕はいつも「半分にしてください」と言います(少なめというと、必ず『気を使って』多めに入れる人がいますから半分です)。
食べる順序としても、消化しにくいものから先に食べます。
一般的な習慣に従って、サラダや、おひたしなどの野菜類から食べればよいと思われます。
これらの”消化しにくい”ものから食べ始めることで消化液を薄める事ができますので、ある程度消化、吸収が緩やかになります。
『米を腹いっぱい食わないと力が出ない!!!』と熱心に語る方がおられますが、実は体にこれだけエネルギー源であるはずの脂肪がついているのに『米を食わないと力が出ない』事自体が実はおかしな事なのです、それはあとで説明をしましょう。
Ⅱ.『OUTPUTを増やす=消費カロリーを増やす』
これも自明の理で、摂ったカロリー以上のカロリーを消費すれば400kcal(カップラーメン1杯)-600kcal(時速10kmで1時間走る消費カロリー)=-200kcal(脂肪30g分)でその分痩せるという事になります。
このように運動は明らかにダイエットにプラス!!!……しかし、カップラーメン一杯であなたは時速10kmで1時間走れますか?
こういう『無理』をすれば恐らく運動した直後に、トータルでは運動量以上の食べ物を食べることになります(あるいは普段よりも消化吸収率を高める事で対応しようとするでしょう)。
人体は飢餓状態を恐れます、そういう状態になれば、その『危機』に対応しようとするのは当然!!!
こういう反応はいたって『健全』なものなのです。
■『運動』で得られるものは?
上で説明したように、問題を「ある一回の運動の消費カロリー」におくのは間違い!!!
単純な『プラスとマイナス』で考えても意味がないのです。
ダイエットは『ゆっくりとした改善』であって『リストラ』ではありえないのです(リストラを望むなら脂肪吸引などのリスクのかなり高い整形手術を選択するしかないでしょう)。
運動はダイエットのツールでありますが、これを単に「消費カロリー」と捉えてはいけないのです!!!
『基礎代謝を向上させて』うんぬんも言われますが、これも言われるほど効果はありません、筋量を1kg上げて20~40kcal/1日という程度です。
もちろんこれも見た目ほど小さいわけではないのです。
それに基礎代謝は「安静時」の数値なので運動をすればさらに何割増しかにはなります、なにより何もしなくても消費カロリーが増えるのはジムに会費を払っても必ずしも消費カロリーが増やせない事を考えると「すばらしく旨い話」ではあるのです……が!!!ご覧のとおり、1kg筋量を増やしたとしても消費カロリーはビスケット一枚分程度です。
Ⅲ.『Generation=体内発電能力』
最後に少しだけ見えにくい、三番目の効果について説明をしましょう。
ツールに使われるのはやはり運動、しかし注目するのは『消費カロリー』でも『筋力』でもなく『Generation=体内発電能力』です。
■なぜ体脂肪があるのにお腹がすくのか?
はじめに『米を食わないと力が出ない!!!』事がおかしな事とお話しました。
どうでしょう?よく考えればおかしくありませんか?脂肪は1kgでおよそ7000kcalにもなる「エネルギーの塊」です。
それが体にこれだけついていても……なぜかお腹がすいてしまう。
不思議だ、おかしい。
そう、おかしな話なのです。
しかしそれは人間の体の動きとしてはそれもまた”自然”な話ではあります。
まず、現代のような栄養過多の社会に生きていると、脂肪の消費を必要とすることがあまりにも少ないのです(逆に過剰なカロリーを蓄えるトレーニングの機会はたくさんあります)。
3度の食事で、必要なエネルギー(以上)を必ず得られる状態になると、『体内発電システム』が”休眠”してしまいます(使わない筋肉や反射神経が落ちるのと同じです)。
どれだけカロリー消費をしても、『脂肪』を燃焼できず、肝臓のストックや体中の細胞に残ったエネルギーを絞り出して、『飢餓状態』になるだけなら、意味が無いのですよね?
『システムが休眠状態』にあるときに突然運動をしても、休眠した体内の『体内発電システム』が突然オンになることはありません(個人差はありますが大体30分というのが通説です)。
と、いうことは?
単純に考えればせっかく運動をしてもあまり短いと効果が無い(厳密には薄い)ということになります。
しかし、考えてみればどれくらいが『運動』で、どれくらいからこれは『オン』になるのでしょうか?
実験ではきっとこういうことをしているでしょう『ウォーキング』程度の明確な負荷を30分程度かけ、それによって減少した体脂肪の量を計測し統計を取る。
そうすると「有意な脂肪の減少」が「統計的に(という事はおおむねの被験者から)」見られたのが30分程度ということになるはずです。
では最低限の負荷はどれくらいでしょうか?
結果が出にくそうな、「ほとんど動きに見えない負荷ではどうか?」というような実験は行われていないと思われます(あるいは結果が今のところまだ論文にまとめられていないのかもしれませんが)。
仮にこの実験を行うとほとんどの人は「減少なし」となってしまう可能性が高いと思います。
しかし、恐らく一部の人は減少するでしょう、統計的には「例外」に含まれてしまうと思いますが、実際には一定の傾向が出てくると思われます(このあたりは僕の仮説です)、この「例外」が「体内発電能力の高い人」です。
僕の考えとしては、体重を落とすためには、もちろん『継続的な運動』が必要なのですが、それは単にカロリーをプラスマイナスする考えで行うものではありません。
ちょっとした運動でも(たとえば通勤のさまざまな「動き」程度でも)『体内発電システム』をオンにする能力を念頭に置いたものになります。
つまり重要なのは「運動をすること」なのですが、より厳密に言えば「軽い欠乏状態のときに」「軽い運動を続ける」事なのです(あまり大きな負荷をかけ、体内発電能力を圧倒するようなエネルギー消費を発生させると、体は『危機モード』に入り理性を振り切って食べ物を摂取するはずです)。
昼食前に少し歩く事も大事ですし、ランチの白ごはんを抜く事、ちょうど晩御飯前の運動である通勤を自転車に置き換える事も重要です(自転車の消費カロリーは歩行の1/7しかありません、体にかかる負担も小さくなります)、そしてたまには登山などの長時間中負荷運動をする(登山の消費カロリーは、3時間で1500kcalにもなります)事で『体内発電能力』を向上させる事は、カロリー消費の大きな運動をするよりもはるかに大きな効果が上がるのです。
運動をしてカロリーを消費する事それはもちろん間違っていませんが、何よりも『体内発電』をすることで脂肪を消費することが重要なのです。
■結論
昼食前に少し歩いて、ランチの白ごはんは減らしましょう。
通勤は可能なら自転車に、無理ならウォーキングにしましょう。
ジョギングなどの無理はやめたほうが良いです、まず続きませんし、一週間くらいではまったく意味が無い(最初の『飢餓状態』への体の反応ということを考えればマイナスになる可能性も高い)からです、さらに筋力がつかないうちに負担をかけると膝を痛めたり腰を痛める可能性があります、ダイエットは”リストラ”ではなく、”ゆっくりした方向転換”です、生活の上での小さな気遣いの組み合わせが体重を1日+10g(1年3.6kg)から-10g(は言い過ぎにしろ数グラムでもマイナスがあれば必ず痩せます)へと転換させることが目的になります。
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CAMPSITE的にはたまにで良いので、登山(自信が無ければトレッキングやサイクリング)など趣味にすることをおススメします、日常的な運動の成果が確認できること、そして誰にでも胸をはれるような体験(長時間歩く事、計画を立てて状況に対応すること、すばらしい景色の中へ入っていけること)を持つことがやる気を高め、さらに一定の脂肪燃焼が約束されます。
景色も変わらないジムで3時間も4時間も運動を続けることは難しいと思います、(しかも登山を趣味にすれば5時間、6時間と歩くのもザラです)。
良い目的を持ち、身近な場所で良い楽しみを見つけましょう。
ダイエットはその後についてくるはずです。
人生の楽しみをあなたのすぐそばのフィールドで!!
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