さて、恐れていた事が起こりました。
ついに真剣な技術の解説に入らなくてはなりません!!!
登山者の基本にして必須技術が【読図・・・地形図の読解】です。
地図を見て自分の居場所がわかることが、GPS全盛かつ、誰でも持っている(→スマートフォンの事ですよ)この時代においても必要なのです。
電池は切れるかもしれませんし、そもそもGPSに表示される地図が全く読めないと困るからです。
【等高線から、3次元の景色が見える能力が基本!!】
さて結論ですが、まず地図を読む事ができると仮定して話を始めるなら、読図に必要なのは「等高線の地図→実際の風景(山の起伏・周辺の山の配置)」に変換する『脳の力』です。
なぜなら、山においては一般的な地図における「ヒント=ランドマークや交差点」にあたるのは、『山の起伏』以外に無いからです(あとひとつの大きなヒントは「コンパス」で、これで地図をどちらに向ければ地図と地形が合致するのか・・・・・・『地図の上方向』が、『北』ですよね?・・・・・・が確定します)。
地図を見て、地図に書かれている線(等高線)を起伏に頭の中で3D変換して、どういう景色が見えるか?を想像できなくてはなりません。
周辺の景色を見てざっくり『自分は地図のこのあたりに居そうだ(地図の上にみえる高い山が前に、やや低い山が左にあるから自分はこの辺に居る)』と確認する能力が読図能力の基本です。
【カシミールなどのソフトで変換してみる】
まあ説明をされてもわからないと思うので現物を見てみましょう。
まず国土地理院提供の地形図(金鳥山・・・六甲山の岡本、芦屋側の一つ目の山)がこれ!!!
そして、これがGoogle提供の地形図(同じく金鳥山付近)です。
【が、なぜか地形図を共有できなくなったので、カシミールで作った図にしてみます。】
これでもまだ少しわかりにくいかもしれませんが、等高線が山の凹凸を表しているというのが「なんとな~く」わかったのではないでしょうか?
・・・無理?まあ初めは無理でしょう(何よりも上から見た3Dが想像できるだけではまだ一歩足りず、さらに自分が見えている景色と地図上の起伏を頭の上で合致させないといけません)。
実際には、『コンピューター』のように正確に高さまで想定するのは『無理』なので、図の上の『オレンジの範囲』のような自分の歩いている「谷の大体の起伏」とその「どちらの道、どの辺りを」進んでいるのか?がわかればとりあえずは良いわけです。
【おススメの練習法は、「近所の」地図と現物を見る日常トレーニングです】
「例えば大阪なら生駒方面の地図を手に入れて、現実の山と、地図の起伏がどこで会うのかを『見て』見ます」
家の周りの地図を入手して、実際の風景と比較することで『脳トレ』してください。
地図は国土地理院のシステムから自分で取るか(国土地理院-簡単地図作成サイト)からがんばってプリントアウトしましょう。
(ちなみに大阪なら紀伊国屋のような大きな本屋には「25000:1 地形図」は1枚260円で絶賛販売中です、いちいちダウンロードするよりそっちのほうが楽かもしれません)
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雑記『地図が読めない!!』
ちなみに地図を読めない人は・・・・・・反省してください(笑)
あなたは地図が読めないのではなくて、地図の上に書いてあるヒント(ランドマークや建物の形)と実際目に見える景色の合致点を探さず(ちゃんと確認せず)に歩いているだけです、確認しなければ地図を持っていても当然迷子になります。
『地図が読める』とされている人は初めにまず、地図の上で自分がどこにいるかを確認し(これは、たとえばお店の配置、道の太さや、交差点の角度、ロータリーの形などの『読めない』人が無視してしまうような点で二重三重に確認しています)、目的地が地図上でどちらの方向にあるかを確認し(そして何本目の筋でどちらに曲がるべきかを確認して)、それがどの方向かを実際の景色の中で確認してから歩き出します、歩き出してから地図を見ても手遅れなのです。
適度なタイミングで(上の例で言えば【ポイント】曲がるべき筋の交差点についたとき、あるいは【ポイント】曲がるべき筋がどうも見つからない時にもう一度)地図を確認すること・・・・・・確認しようと思いつくことがどんな地図を見るにしても、基本も基本、もっとも大切な技術です(どこがチェックしないといけない【ポイント】が分かるというのは実際なにをするにしても最も高度なリスクコントロール技術です)。
どんなに正しく等高線を景色に3D変換する力があっても、地図を見なければその能力はまったく発揮できませんし、迷った後に場所を確認してもすでに手遅れかもしれません。
「地図を読む」という事について言えば、大切なのは危機を乗り切る力ではなく、危機に陥らない実力です。
・・・・・・と、一方的に怒って見せていますが、実際問題山に行く人でも「ちゃんと地図を見る習慣」が無い人はたくさん居ます、たとえばあなたの知り合いで5年くらい登山をしている人に「地図を持っているか?」「どんなときに使うのか?」と聞いてみてください。おそらく半数以上は「持っていない」か「持っていてもほとんど使わない」と答えるはずです。
しかし「絶対に見ます」という人の半分ぐらいは「昔山で道に迷って、死にそうになって・・・」とか「昔迷ったときにたまたまザックに入っていた地図で助かって」という話をしてくれると思います。
そ う、あなただけではありませんが、地図を持たない、見ないというのはそれだけで限りなく致命的な事です、そして多くの人は死にそうになってから(あるいは 死ぬ寸前になって)ようやくそれを理解するわけです、教科書どおりに言えば「持ち歩いて、マメに確認しなさい!」という事になりますが、とりあえず「一度は読図の練習をしておくこと(家の近所の地図で等高線と山の形を合致させる事ができるようになっておく事・・・【Learn is FAN】がこのサイトのフレーズです)」、そして行く山域の地図を「持っていく事」だけは習慣にしてください。
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