さて、このサイトでは「始めは運動靴で初めて」山歩きがわかってきたら「登山靴を買えば良いんじゃない?」というポジションです。
・・・が、どうしても「始めに登山靴を買いたい!!」ヒトも少なくないようなのでここでザックリとした説明をしてみたいと思います。
【Campsiteおススメの靴の買い方】
Campsite的には簡単に言えば以下のような「アップグレードパス」を推奨しています。
- 「安いトレッキングシューズ」(10000円前後)
- 「高めのトレッキングシューズ」(20000円前後)
- 「登山靴」(お好みでどうぞ!!)
「1」の段階では防水さえ利いていればどんな靴でも構いません、柔らかめの靴で「山歩き」に慣れてください。
・・・まあこういった靴はだいたい1年ぐらいでダメになるのでそれは覚悟の上で購入し、ワンシーズンの終わりか次のシーズンの始まりごろに「2」へと進みましょう。
「2」ではある程度「歩いている」ので足も出来ているはずです、その状態で「ある程度本格的な」シューズを選びます(すぐ「3」を買いたい人も「2」を買って何度か歩いてから「3」に進みましょう、どちらにしろ予備の靴は(修理に出している間裸足で上がるわけにも行かないので)あったほうが良いのです)。
どれを買うにしろキチンと足を突っ込んで「違和感の一番少ない物」をキチンと選択してください。
このサイトは自習サイトですから、そうやって得た経験値……この「当たり」は痛くなる、ならないという感覚……で自分で靴を選んでいきましょう(まあ、それが面倒であれば個人経営などの山の道具屋さんへ行って知見を「買う」事もできます、フィッティングに2~3時間かけてくれる商店であれば間違いないでしょう)。
【登山靴の種類】
まずは登山靴の種類からいきましょう。
登山靴には大雑把に言って以下の3つの種類があります。
※前提としては「ゴアテックス」のような「防水」は全ての登山靴に必須の機能です、これを搭載していない靴は山用の靴とはいえませんのでその段階で選から弾いてください。
1)トレッキングシューズ
トレッキングシューズの特徴は「比較的やわらかく」「足首のカバーも浅め」という特徴があります、モノにはよりますがリリースされている製品の半分ぐらいは「ソール張替えが出来ない」のも特徴です。
価格が安く(25000円以下)、柔らかいため履きやすく、軽い作りになっています。
弱点は「補正力の弱さ」で足首のホールド力が「運動靴以上登山靴未満」のため「不整地(道なき道)」を歩くのには向いていません、例えば「雪の上を歩き続ける」場合や「山道を外れた道を行く」場合には力不足!!…という事になります。
また設計的に「登山靴と比較すると強度が無い」ということも上げられます、このグレードのシューズはだいたい靴のアッパー部分が「ナイロンのシートと皮のミックス」みたいな感じに縫い合わされて作られているケースが多いのですが、「縫い目が多い」という事は「強度が無い(壊れる)」ということでもあります。
上でお話したように「ソール交換が出来ないシューズ」が多いのですが、そもそもで言えば「ソール交換するまではいていると他の部分が壊れてしまう」シューズでもあります。
言うなれば「山用のウォーキングシューズ」がこのグレードです。
色々な意見があると思いますが日本国内の「安定的なルート」を選べばこのグレードの靴でも十分な性能があります。
(靴底の強度が足りないなどの意見もありますが、岩場などでつま先(靴底の強度)に全体重をかけて立つ……ような動きが要求されるルートは超初心者は選ぶべきではありません、超初心者登山のルートで選抜しているようなルートを歩いて経験を積んでからそういった「高難度の登山道」を歩くようにしましょう)
2)登山靴
登山靴は「重登山靴」とも呼ばれるグレードの靴です。
オーダーで作ることも出来ますし、メーカー品も存在します。
トレッキングシューズとの違いは「価格の高さ(30000円以上)」と「補正力の高さ」になります。
後は「アイゼン取り付けの引っ掛け」の有無だ何だとありますが、今時冬山に皮のブーツで上がる事はほとんどしないと思いますのでこのあたりは気にしないことにしましょう(そういう山に行くような情報は……このサイトの守備範囲をホームランで超えてしまっています)。
「足首を完全に固める」補正力があることが重登山靴の条件で、これがあるがゆえに不整地での歩行では大きな助けになりますし、一定以上の岩場では「必須」とも言われます。
靴のアッパーがだいたい「一体成型(1枚か2枚の皮)」で縫い目が少ないというのも特徴でキチンと手入れをしたら「一生モノ」とされています(ソールは当然張替えが可能です)。
長期にわたる縦走登山などを目指す方などはこのタフな相棒がたのもしいですし、「せっかく馴染んできた道具を捨てるしかない……そんな悲しみは要らない」方にはこのグレードをおススメします。
ただし「足の形との相性」は固いがゆえにシビアで、フィッティングには十分な時間(半日ぐらい?)をかけてください。
3)それ以上(アルパインブーツ・冬山用ブーツ)
ヨーロッパでは山頂に向かうためには基本的に「クライミング」が必要なケースが多いためこれらに対応するようなブーツが販売されています。
ヨーロッパのある程度以上のグレードのブーツはこれで「SCARPA」とかの攻撃的な外見と値段(50000円以上)の商品はここにあたります(ちなみにスカルパでもクリスタロGTXだとかは「登山靴」グレード、カイラッシュGTXなんかは「トレッキングシューズ」のグレードです)。
履いてみて足に合い、外見が気に入り、お金も潤沢にあれば買ってもよい……というグレードにはなりますが、靴紐の締め方も難しく(状況に応じて締め変える)、手入れも面倒で価格も高いので「苦労を背負い込んでもロマン生きる」人以外はやめておくほうが無難です(第一クライミング寄りの設計になっていると「足先が窮屈」で快適とは言い難い造りになっています)。
さらに「雪山用」ブーツもあります。
雪山用は今時はほとんどがスキー同様「プラブーツ」で、12本爪のアイゼンがワンタッチでつき、このアイゼンの「前爪」を氷壁に蹴りこめばそれで「立てる」ぐらいの強度があります。
これらのブーツは「一般登山」においてはオーバースペックですのでおススメしません!!
…さて、本日はここまで!!
明日は「フィッティングの勘ドコロ」を説明するつもりです。(上のリンクと同じですがとりあえずと言うのならフィッティングについて去年のこの記事もあります)
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