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2013大キレット登山報告「新穂高温泉→南岳→北穂高→上高地弾丸ツアー」(中編)

「今年(2013)は、6月から週末の上高地はぜーんぶ、朝は雨ですよ。」
・・・地元のタクシー運転手の証言

ついに、というか・・・・・・恐るべき事に大キレットを目の前にする事になりました。
・・・・・・いろいろな感慨はありますが、まあやる以上は『正確に、ひとつひとつの行動を適切に』という登山の基本を大切にしようと心に決めました。

今回は『大キレット通過のみ(南岳小屋→北穂高山荘)』の行程で、GPSによると、【距離は2.2km、標高は3000m付近から300m降りて、また3000mまで上がる±300m、時間はおおむね4時間】という道のりです。

・・・・・・まあ、と言いながら朝からいきなり決断を迫られます。
「天気」です。

朝(5:00)の決断

前日から日本全国で大荒れ、冬並みの不安定な大気の状態。

その夜にも少し気象情報を見てたんですが、直感的に「あ、こりゃわからん」と朝の状況で判断しようと思っていたんですが・・・・・・。

『降水情報』を示しますが、ザックリ言うと出発の段階では「まあ、雨雲はうまく外れるか、上高地をかすめるくらいだろう」という予測でした。

前日ビールを飲んでケータイをいじっている様子・・・・・・。『うまい棒30円』とかで喜んでいる平和な時間です。

 

『大キレット通過』を決断

出発は7/27 5:50頃。

雲の濃淡が変わっているのでしょう、空は明るくなったり暗くなったりを繰り返しています。

警告文「無事に通過される事を願います。」

霧の中を進んでいきます、確かに岩場に岩場の繰り返し、退屈するヒマがありません(笑)

時折雲の「淡い」ところでは景色も見えました。

まあこんな感じで序盤の2時間は順調だったわけです。

濃霧の中、難所「長谷川ピーク」を通過する。難所は思ったより長くない。もちろんどこで落ちても「一撃必殺」には違いが無いが。

 

 【天罰か?幸運か?】

tenki.jpより「6時頃」より雨雲が「北」へと急旋回しているのがわかる。

長谷川ピークを通過しかかった頃に、「ぽつぽつ」と雨が降り始めます。

幸いこのあたりは携帯の電波がよいことを(南岳小屋の段階で)確認していたので、降水情報を確認すると「雨雲」が穂高側に流れ込んできているのが確認できました、もう「足元」に居る状態でした。

「うっひゃー。」

雨雲が最後にもう一度それるか、笠ヶ岳あたりに阻まれる事を祈りながらも、長谷川ピークを越えた後のコルを足早に進みます。

前方にあるのはもう一つの難所『飛騨泣き』、正直雨の中では行動したくありません。

写真中央部に3人の登山者が見える(写真は降雨後)。

周りを見回しながら前進すると、ちょうど飛騨泣きの「膝元」にハイマツの絡みつく岩場があり、そのそばで3名の登山者と出会いました「天気が持てば良いですね」というような言葉を交わすと、彼らはすばやく『飛騨泣き』超えてしまうつもりのようで、そのまま足早に岩場へと進んでいきました。

携帯電話で雨雲の推移を再度確認し(もともと、雨雲があまり広い範囲には存在しない事は適時確認していました)、小休憩・・・・・・と思っていると「ボッ・・・・・・ボッ・・・」と大粒の雨が落ち始めてきます。

『夕立』のような降りはじめに観念して、風を避けれる岩場を探してシートを取り出し、ポジションを作ってじっと我慢。

テントマット(保温シート)で雨宿り

ザーザーという音と共に「ぼつぼつぼつ」と粒の大きさを感じさせる音。

よく見ると視界の端で小さな白い粒が踊り、よく見ると雨と半々ぐらいの割合の”アラレ”がシートを叩いています。

三度ほどの雷鳴。

 

冷たい雨は13分ほどで何とか上がりました。30分くらいは覚悟していましたが、予想以上に天気の流れは速かったわけです。

 

【大風雨一過】

さっと、ガスが晴れて蝶ヶ岳が見える。

超えてきた、南岳側の獅子の頭と長谷川ピークもクリアに見える。

・・・・・・とはいえ、「一過」の恩恵も20分ほどで、残念ながらその後またガスに取り巻かれての前進になりました。

雨が無い事と、岩場がグングンと乾いてくれた事が救いです。

飛騨泣きにはシッカリ泣かされました(笑)

そして、10時ごろ無事北穂高山荘へと通過する事に成功しました!!!

また青空が顔を見せてくれて、僕たちも元気を取り戻します。

・・・・・・長くなってしまったので、動画と北穂高からの下山は『編』を分けます。おたのしみに。

 

 


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