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『登山と野外生活で』意識しないといけない「服装の違い」の【実装編】

前回、登山と野外生活で違うのは「防御力」、特に「耐火防御力が必要、だ!」と繰り返して述べました、では「防災リュック」にはどういうウェアを用意するべきなのかを実際のリストと解説を試みてみましょう。

火と付き合うのはそれなりに厄介な問題がはらむ

火と付き合うのはそれなりに厄介な問題がはらむ

 

【防災袋に必要な「バランス」】

前回のように『防御力・耐火力』と強調すると「防御力のためなら全てを尽くす」と考えてしまいそうですが、重要なのは「バランス」です。

 

野外での活動の装備なり、工夫というのは繰り返し書いている様に「快」を求めて選ばなくてはなりません。

もちろん、いざというときに「燃えてしまいそうな服」を着ていることは「快」ではありませんが、同時に「洗っても乾かない服ばかり」というのも「快」ではありません(そもそも、野外生活では何かと汗をかくものです→化繊のウェアが乾きやすい理由についてはこちら)。

穂高神社奥宮の神籤に入っていた(たしか)お守り

とはいえ「衣装ダンス」を持ち歩くわけにはいきません(リュックサックに入って、機敏に動ける必要があります)。

 

例えば非常持ち出し袋に入れるのであればこんな具合のウェアリストにするべきでしょう。

 

【ユニクロ、g.u.でもOK】高いウェアをそろえようとして「ない物」ができるよりは安物でも「もれなく」そろえよう。ただ、ユニクロでは手に入らない物もあるので安く抑えるならそういうものはホームセンターという考えも。

 

【防災袋に入れるべき衣服のリスト】

登山の装備品リストも参照

[下着]

我が家のg.u.「愛想の無いモデル(カラー)」

・化繊のシャツとパンツ x2セット(お金があればメリノウールでも)
・防寒用に化繊のタイツ x1(カッコ内同上)
・綿の靴下 x2(カッコ内同上)

 

『解説』下着は2セットに、片側を洗って、片側を着ておく感じ。ウールにすれば火には強くなるが、高価になる(そんな高価なものを非常時に備えて「置いておく」根性は僕にはない)。

 

セットが下着で2セットなのは「衣服はスペースを大きく取る」からだ、あまり多くすると他の物が入らない。

 

[中間着]
・薄手のウールセーターまたはフリース
・作業用綿のズボン(ジーンズは避けておくのが無難)
・ステテコ等

 

『解説』「薄手の」としているところの意味は、リュックの容量を考えてのことだ、セーターやフリースは「圧縮率」が低いのでかなり容量を食う。ズボンはジーンズなどタイトなものは避けておくのが無難、汗をかくと足に張り付き体力を奪う。カーゴパンツなど膝周りが広く、可能ならストレッチが効く物が良。

 

ステテコ等は「部屋着、寝間着」に。

 

[外着(シェル・アウター)]
・雨具(まあ、ポンチョくらいでも良いがズボンも買っておくのが無難)
ダウンジャケット(型落ちのULダウンでも入れておこう)
・綿のジャケット
帽子(ヘルメット)

【保護帽】なんにせよ「ナチュラル(かぶらない)」と、擦り傷も防げないのでせめて帽子くらいはかぶりましょう。

 

『解説』雨具は「超初心者登山」でも述べられているとおり「濡れ→冷え→疲労凍死」という究極の結果を防ぐためにも必要。

 

ゴアテックスなどで作られた高性能雨具はさらに「汗による濡れ」も平静時であればほぼ防ぎ(一度ゴミ袋に包まって寝れば高性能雨具の効果が理解できるはず)、雨の中でも「乾いた衣服(快)」が維持でき、活動時でも「抑える」ことが出来る。

 

ダウンジャケットは防寒の要であり、かつ小さくなるので備えたほうがよい。

 

火やすり傷に強い綿のジャケットがあれば、焚き火番をしているときにダウンや雨具を保護できる。

 

さらにこれはウェアではないが、さらにレスキューシートや地面からの冷えを断熱するマットを用意すると「ビバーグ」にも耐えられる。

 

家族であれば子供のリュックにはウェアとレスキューシート、非常食だけを入れし、父親か母親用のリュックに「マット」や食料、水と燃料などを入れる。

 

…そうですね、こういうのが一つのコンセプトとしては正しいのではないでしょうか?

 

【実際の運用】

僕は登山リュックの一つがこういう構成で置いてあります。

 

気軽な登山の時には担いで行きますし、もっと大きなリュックが必要な登山の時には別にリュックを作って、このリュックは置いてあります。

 

下着類は1セットしか入っていませんが、僕の着ている日常の下着は「オール化繊」かつ「スポーツ用」なので、リュックにもう一セット入れる必要がないという判断をしています。