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雑記「賢者は歴史に学ぶ」ウクライナ危機・クリミア併合2014の紹介

「わずか十九日間で……イスラエルの国土や日本の四国より大きなクリミア半島がほぼ無血でロシアに「奪い取られた」経緯は、近現代の紛争史でも特異な事例だといえる」—「クリミア併合2014」より

そういうわけで、きな臭い国際情勢が続きますが、ウクライナ危機は2014年「クリミア併合」から続いているパーティーですから、今回もそのステップ(歴史は繰り返さないが韻を踏む)を学ぶことは参考になるでしょう。

[表]三井住友アセットマネジメントより引用 [写真]時事通信より引用 「クリミア併合」では株価は微動しただけだった。

そういうわけでボードゲームデザイナーであり戦史研究家の「山崎雅弘」さんの「クリミア併合2014」をご紹介します。

「ボードゲーム((笑))」と思う人が多いと思いますが、アメリカのランド研究所(アメリカの軍事関係の有力なシンクタンク……知らなければ((笑)))などには多くのボードゲームデザイナーが参画しているのが知られています。

ポストの最後で紹介するボードゲームノルマンディーの戦い(歴史群像)の紹介記事より「ナチスドイツとソ連戦争(独ソ戦)」のへクスマップ、日本のコンピューターゲームにありがちな「ヒットポイントの削りあいの殲滅戦闘ゲーム」とは違い、この手のビッグゲームは部隊の運用だけではなく、補給の確保なども実現しなければ勝利できない……真の「シミュレーション」ゲームだ。

https://getnavi.jp/gamehobby/516482/

単純な研究だけではなくゲーム化するには「モデリング」する必要がありますので良いボードゲームデザイナーは「知ってるだけの専門家(ほらみなさんそういう人すぐに顔が思い浮かぶでしょう)」ではなく「使える専門家」であるわけです(そもそも軍も「図上演習」としてボードゲームを作り、プレイします)。

「こういう視点で歴史を見続けてきた専門家(このシリーズだけで64巻)」が2014年のクリミア併合の歴史的俯瞰的な状況をとりまとめたノートがこの「クリミア併合2014」です(こういったヒストリカルノートはゲーム作成時に作成されルールブックの巻末などを飾るもので、簡潔で俯瞰的な経緯と視点が得られます)。

「本来は単体で販売するものではない」という事からドキュメントのボリュームはないですが、価格も安価なので紛争や地政学リスクと述べられたときに類似の例を調べるなら当たる価値の高いシリーズです。

歴史の韻「世界は併合をとどめることはできなかった」

まあそれが良いといいたいわけではないですよ。「このウクライナ情勢2022の図類はデイリーメールから、翻訳を書ければ普通に読めますよ、機甲師団が鎧とかの誤訳は出ますけど」

さて、今回の結末がどうなるか?
おそらく今回も前回のクリミア併合と同じパターンが踏襲されることになるだろうと僕は思います、東部は併合されるし、それに効果的な対応はできない……プーチンの主張・行動に変な色をつけて解説することはおそらく有害でしょう(マッドマンドクトリンにしてやられた……という結論になるのではないかと思います)……本書には以下の一文があります、これは2014年のことですが、今何か違いがあるのでしょうか?

 ロシアによるウクライナ領クリミア半島への派兵と同地の併合は、明白な国際法違反だったが、国連も欧米諸国も、ロシアに対する効果的な制裁を行えなかった。
 その理由は、まず天然ガスの四割をロシアから輸入するドイツをはじめ、中欧や西欧の国々は程度の差こそあれ、ロシアとの貿易に依存していること。次に、ロシアは国連安保理の常任理事国で、制裁決議への拒否権を行使できること。そして、ロシアが行った「クリミア住民の意向を尊重する形式で、武力を行使しながら独立を助ける」という政治手法を、かつてNATOもバルカン半島のコソボで行った経験があることだった。

山崎雅弘. クリミア併合 2014 (Kindle の位置No.280). Six Angles Publishing. Kindle 版.

→「岐路に立つNATO(PDF)」2010年国際問題研究所のレポート

→「NATOによるコソボ空爆の実態と人道的介入をめぐる議論」徳島大学 饗場和彦氏のレポート「ソラナ事務総長も……国際法を逸脱する面があることを認めている。」4ページ

 

戦史ノートシリーズ
 -歴史群像「ノルマンディーの戦い」とSGの紹介

山崎雅弘 ブログ「琥珀色のノート


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