ロープワークというと狭義では「紐の結び方を知っている」という事になりますが、広義で言うと「ロープのつくり方」「ロープの終端処理の仕方」から、今回説明する「テンションを立ててモノを立てる方法」なんかも含む総合的な技術です。
前回のテント・タープを立てるのに必須の「自在結び」を説明しました。
今回はそれに追加して「そもそも何で紐で柱が立つのか?」を説明します。
【ロープで柱を立てるためには『どの方向にも倒れないように引く』】
「柱が立つ」ためには、柱が『どの方向にも倒れない』ようにする必要があります。
このために出来ることは二つあります。
「倒れないように支える」
そして
「倒れないように引っ張る」ということです。
みなさんご存知のようにテーブルやイスは「3~4本の足」でどちらに押しても『支え』があるので倒れずに「立って」います。
紐(ロープ)は「木の足」のように『支え』になることはできません(折曲がらないロープは、ロープというよりは『棒』です)。
ですから、紐で柱を立てるときには『テンションをかける(引っ張る)』事で柱を立てます。
そして、最小であれば「イス同様に」に「3方向」から均等の力で引くことで「柱を立てる」事ができます。
【二つの柱が立つためには?】
二本の柱を立てるためには、下の図のように「三角を二つくっつけ」て「中央の柱と柱の引く力」を均衡させましょう。
こうすればロープは「2方向」しかなくても、最後の「1方向」はもう一本の柱(正確にはその柱を引く2本のロープ)が引いてくれます。
確かに「ちょうどいい木」があれば、ペグ(クイ)がなくてもテントや屋根(タープ)を立てることが出来ます。
ですが、こういう「テンション」のかかり方でテントが立っているということを知っていることは大切な事です(ちょうど良い木が二本並んで立っていないとテントが建てられないというのはやはり不便でしょう)。
あ、ちなみに現在では山岳テントではこういう「三角テント方式」ではなくて、柔軟性のあるポールの力で「自立する」形式がほとんどです。
ですがこの知識は、ビバーグに使う「ツェルト」などを立てるときなどに応用の利く『ロープでモノを立てるときの原理』です。
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