2005年ごろから開発が続けられてきた発電リュックサック『Suspended-load Backpack』が米軍での実証試験にこぎつけました。
そしてなんと、あと2年ほど(2016~17年頃)で一般向けの製品もリリースされるような状況になってきました。
【アフガニスタン向けの装備】
もともとはアフガニスタンの米軍向けの製品として提案されたものです。
米兵も現在は「iPAD」で作戦情報をやり取りしているなど「民生品活用」が当たり前になっているのですが、アフガニスタンの山岳域などの「長距離パトロール」に出る兵士にとってはこれらを長時間維持するためのバッテリーがかなりの重荷になっていました(ナショナルジオグラフィックの記事によると9kg)。
これを解決する目的でペンシルベニア大学のラリー・ローム氏によって開発されました(ちなみにはじめは「こんなことできない?」っていう一本の電話からでスタートしたらしいですよ)。
【自動巻き時計同様「自然な動き」を蓄積する】
自動巻き時計は「腕の動き」で発生する「動き」をバネに蓄積しましたが、この「発電リュック」は「ショイコ」のようなフレームに固定されたリュックの上下動を利用して充電します。
歩行時にはアンペアベースで12~35Aの発電性能が確認されています(スマートフォンが1A、iPADが2A)。
バッファとしてのバッテリーは必要になってもシステム全体の重量は半分以下とされていますのでかなり有望と言えるでしょう。
なお、背負い心地は一般的なイメージとは違って「フレームはハードなほうが良い(ショイコなんかもそうですが)」ので問題ないはずです。
ちなみにこういう技術というか発想はさらに発展され、「自動巻きインプラント(ペースメーカーなど)」製品も開発されつつあるようです。
【機能性発電タイツも?】
面白いのは「人間用プリウス型発電機」も研究されているようで、膝に取り付けることで「ブレーキ」をかける力で発電する機器になるようです。
例えば「山の下り」など「ブレーキ」を多用する状況で「膝を保護しながら」「充電もできる」という「機能性タイツ」が実現するかもしれません。
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