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超初心者登山のはじめのポイント2【山は広い】

燕岳から富士山、100キロ以上離れても見える威容

燕岳から富士山、100キロ以上離れても見える威容

 

【高山病】

山が高い!で書き忘れていました、高山病というのもあります。

高山病は、大きな気圧の変化と酸素の薄さで頭痛や吐き気を誘発する病気ですが、最悪は脳浮腫などを起こして死ぬケースもあります。

高山病は下山すると必ず治る病気ですので、発症した場合は下山してしまいましょう。
酸素を吸えば……マシにはなりますが、気圧は変えられません。
無理は禁物です。

 

高山病予防に最適なのは、慣らし運転をすることです。
超初心者登山のルートでも紹介するつもりの、『上高地→涸沢』ルートの場合、はじめの3時間はほとんど平地(ただし高さは1500mあります)なので何も考えなくても十分な慣らし運転ができます。

 

難しいのは富士山のような山で、1700m近くまで車で上がってしまいますからそこから歩き始めるとほとんど70%位の人は高山病になります(程度はマチマチですが)。

 

こういうケースでは”コレだ!!”という解決策は無いのですが、僕は1時間ほどヒルネをしてから登り始める事をお勧めします、僕の経験則からいうと、ハードな行動をするよりもリラックスしているほうが高度順応は早いように思います。

もし日数に余裕がある場合はある程度の高度で1日宿泊すれば順応はより容易です。

御嶽山登り道からの眺望

 

【山は広い!!!】

山野はどんなに小さな山でも、人間からすると非常にスケールの大きなフィールドを持っています。

これには身近な問題でいえばトイレにたどり着くのにも非常な苦労をするということを意味します。
山の大きさにはかかわらず、トイレは4時間に一つ、多いところでも2時間に一つくらいしかありません。

体調不良や、寝不足などを我慢してトイレに行きたくなってもたどり着くところにはトイレがないということにもなりかねません。

 

ましてや、トイレどころではなくて無理をしたことで足を挫いて行動不能になれば、助けがくるのは、最短でも1~2時間後、もし携帯が圏外か電池切れで友人が助けを呼びにいく事になれば(……とはいえ、行ってくれる仲間がいるというのはそれだけで素晴らしい事です、少なくとも超初心者のうちは一人で山に行くのは避けましょう!!)さらに倍!という事になります。

 

ですから、山ではとにかく無理は禁物です。
何か問題があるときは、常に早めの判断をして「まあ、今日はこのあたりの散策に来たんだ」と、潔く下山を選びましょう。

 

また、少しでも道から外れるというのもものすごく危険です。

整備されている山道はきちんと歩けばまったく問題ありません。
しかし、人が踏み込んだことの無い場所には何があるかわかりません。

 

例えば崖の切れ目に、『落とし穴を隠すように』落ち葉が積もっていることがあります。

私個人の経験から言えば道を変えて不整地に踏み込んだときに足首まで雪のように積もった落ち葉の上を歩いていると、落ち葉の中に隠れていたマンホールぐらいの岩が転がりだし、前を歩いている人の横をかすめていった事があります(恥ずかしい話です)。

 

こういうのは極端な例にしても、町の中と違い地面が必ず向こう(例えば「向こうに見える丘」)につながっているとは限りません。

 

せっかく歩いても、あと20メートルというところで、高さ3メートルの崖があって……結局元の場所に戻るしかないという羽目になりかねません(ちなみにこういう不整地はスキー場などで歩いたことがあればわかると思いますが、整備された山道の何倍も苦しいものです……)。

 

こういう場所をあえてすすむ『藪コギ』といわれる遊びもありますが、まずは『超初心者登山』で体力と町ではできない経験を積み重ねてからこういう『冒険』に進んでください。

 

また、山には(特に標高2000mを超えるような山では)風をさえぎる場所があまり無いのも特徴です。

 

風や雨、雷などから身をかわす事ができません。
ですからこういう世界には、天気が悪いと人間はあまり存在することができません(天気が悪くなりそうであれば、木の無い世界には行かずに、下山するべきでしょう、それが山の人の判断です)。

高い木の存在しないこの『世界』は、このように非常に過酷なんですが、しかし山を歩いて感動するのはこういう『空の道』を歩いているときです。

 

あなたもぜひ、メジャーでも短いルートで登山のすばらしさ、自然のもう一つの美しい側面を感じてください。

燕山荘からツバクロ(燕)岳への道のり

…さて、それではこれで超初心者登山の心得はおしまいです。
山は地上とはまったく違う世界であることはご理解いただけたと思います。
ここからは、お待ちかねの装備(マウンテンギア)リストはこちら技術の紹介に入りたいと思います。

 
 

 


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