【ウェアのまとめ】「アウトドアメーカーとユニクロのダウンジャケットの違いでウェアへのポジションの違いを理解しよう。」

アウトドアメーカーとタウンのウェアの違いは決して小さくはありませんが、昔のように「異次元」の存在ではありません。

【異次元「ダウンとフェザー」】いまどき羽毛布団でも「フェザーが多くてカサカサ言う」って事はないでしょ?

今やユニクロを中心とした大規模SAP(製造小売)は強力な『バイイングパワー』で高級素材を手ごろにゲットして優れたウェアを作り出しています。

しかし「専門品」と「一般品」には明確な違いもあります!!

 

【ダウンの品質について】

まずはじめに言っておくべきなのは繰り返しになりますが『断熱しているのは(ダウンで固定された)空気』ということです。

ユニクロだろうが、モンベルだろうが、ミレーだろうがこれは変わりません。

【モンベル】FP900のダウン、ユニクロのULダウンと比較すると「モチモチ感」とその持続性が違う。

【モンベル】FP900のダウン、ユニクロのULダウン(推定650FP)と比較するとふくらみが違うので「モチモチ感」とその持続性が違う。

たとえば素材が人工物である「フリース」であればもっと顕著で(厚さ(重量)が一緒なら)保温力の違いはほとんどありません(アウトドアメーカーのフリースとユニクロのフリースの違いは「ストレッチの有無」や「耐火性能の高低」で保温力は厚さが同じならおおむね同じです)。

 

熱を伝えているのは(空気も多少は伝えます)が基本的に「物質」です。
ですから「真空保温材」がもし存在すれば「最強の防寒具ができる」と思います(実際に作ると「金属鎧」みたいなものになってしまって使えないと思いますが)。

【水洗いしたユニクロライトダウン】黒い影がダウン。ダウンジャケットの「ほとんどが空気」というのがわかる。

【水洗いしたユニクロライトダウン】黒い影がダウン。ペッタリと薄くなりダウンジャケットの内側は「ほとんどが空気」というのがわかる。

 

アウトドアウェアでつかわれるダウンとユニクロのダウンでは、ダウンの性能(品質)が「上の上ダウン」と「ただの上ダウン」に分かれます。

 

「上の上(アウトドアメーカー)」と「ただの上(ユニクロ)」の違いは「FP(フィルパワー)」と「産地」「品質」によって変わります(天然物ですから)。

【モンベルより】ダウンのFPによる膨らみの違い。

【モンベルより】ダウンのFPによる膨らみの違い。

FPは前に説明していますが「同じ重量でどれくらい膨らむか(空気を保持できるか)」です、「産地・品質」は「洗濯に何回耐えるか?膨らみ回復力がどれくらい持続するか?(強靭さ)」に主に影響します。

 

大規模なSAP(ユニクロ等のアパレル)は供給量的(全国のお店に並べられないものを作る事は通常しません)にも、商売的にも「上の上」を使うことが出来ません。

これで同じ重量でも20%程度の「あたたかさ」の違いが出ます、ただし相場というものですが価格はだいたい3倍以上になります。

ただ大規模SAPも品質を毎年向上させていてアウトドアメーカーの製品では数年前から可能だった「家庭での洗濯」が、昨年あたりから「ユニクロULダウンでもOK」となっています。

【産地や種類によるグレーディング】種類はもちろん産地によって異なる、「上質の冬毛」が取れる地域(気候や技術)の評価が高い。

 

【ダウンへの加工】

アウトドアメーカーのダウンジャケットはモノによってはダウンへの「撥水加工」がされています。

これは大きな違いです(→2016年現在、ユニクロのライトダウンもダウンへの撥水加工をするようになりました、ちょっと性能差を比較する検証はできていませんが、踏み込んで来ますね)。

 

ダウンは濡れに弱く(ふわふわ、軽量にするために脱脂しているからです)、しかも「乾きにくい」という弱点を持っています。

 

冬場の気温ではなおのことで「オペレーションミス」や「冬の雨」で『うっかり濡らしてしまう』と手も足も出ないという事態になります(状況によっては致命的な事です)。

これを「軽減できる」ダウンへの撥水処理は大きな助けになります(ただし「撥水」は万全ではありません:ちなみに2016年ごろからのユニクロダウンはダウンに撥水処理をかけるようになりました)。

 

【立山の悲劇】幸い近所に山小屋があったが夏の防寒用のユニクロダウンがぷかぷか浮いていました、3日は乾きません。

また「ウェアの表面のシート」も「撥水処理」をされていることは多く、これもウェアの「耐水性」を高めています。

 

これら処理の『価値』は決して小さくはありません。

「素人こそよいモノを!!」という呼びかけは正しく、装備選定の段階で最善を尽くせばリスクは減らすことが出来ます。

ですが、予算の制約もあって全ての装備に万全を尽くすことは出来ないと思いますので私としては「厚めのフリース(フリースは水に強い特性を持ちます)」と「ユニクロのダウン」で登山に行くのも良いと思います。

 

ただし、『場所』は十分に選びましょう。

日本の”高山の冬”(11月末から5月末くらいまで)はジェット気流の関係で「極地探検」並みの装備が必要になるケースも多々あります。

ユニクロはせいぜい夏の高山か、秋冬の低山向けの装備という事は認識しましょう。

 

【ラインナップ、チューンナップの差】

大規模SAPの泣き所は先ほどの「ダウン」で「上の上は使えない」理由と同じで量産効果で価格を下げる必要があるので「あまり商品のバリエーションは作れない」というところがあります。

 

形やパターンを大きく変えると「量産効果」が出なくなるからで、ユニクロは「ULダウン」一本槍(最近はコート仕様など増えましたが)です。

 

ダウンの話で「同じ重量ならアウトドアメーカーが20%増しの性能」とお話をしましたが、アウトドアメーカーの製品は用途に応じて様々なバリエーションが存在します。

つまり「ダウンの量を増やした」製品も存在しますし、表面の素材も「外側だけ手厚く」したような製品も存在します。

 

それどころかメーカーによっては「この製品でダウンを10%増量してくれ」みたいな要求にこたえてくれる事もあります。

 

【アウトドアとタウンのダウンについてのまとめ】

アウトドアウェアはユニクロのような「タウン向けウェア」で要求(暖かさ・軽さ)されるよりも『広い機能』が充実しています。

 

ザックなどを背負っていても使いやすいフラップやポケット、強靭さ、撥水性、極地に対応するような保温力を追及してくれるのがアウトドアメーカーという事です。

【驚異的な世界へ】FP1000とかほとんどありえないダウンから、極地探検まで。

 

 


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