野外生活的「緊急時の心構え」STOP&RUN

非常持ち出し袋を"実際に準備する"というのも大事
非常持ち出し袋を”実際に準備する”というのも大事

さて、備えるもの、初めに何を書くかいろいろ悩んだんですが一番初めに書くべきことを忘れていました(笑)

それは心構えです。

■STOP&RUN

ナショナルジオグラフィックという雑誌によればSTOP(STOP=落ち着く>THINK=状況を把握する、理解する>OBSERVE=状況を観察する>PLAN=計画する)という4ステップが勧められています。

つまり「パニックになるな」という事です。
例えばある飛行機事故で非常口が開かずに多くの人が亡くなりました。
ドアに取り付いていた人は、ドアのそばにあった座席の「アームレスト」に取り付いていたそうです、アームレストを取っ手と間違えて必死に引いていたんですね。

そうまず初めに上手くいかなかったら一度「STOP」止まって見ることは時に生死を分かちます。

そして、私としてはこれにRUNを追加して「STOP&RUN」という言葉にしたいと思います。

■まずは冷静に危険から遠ざかる行動を

RUNは「実行する」そして「走る」という意味です。

パニックにならない、落ち着こう。

これは非常に良いことです、しかし人間は多くの場合「落ち着いたからといって正確に事態を把握することはできない」という事も事実です。

例を出しましょう、毎年熱中症で死ぬ人はいます、しかもその半数程度は”家・庭”で死んでいます。

なぜでしょうか?

家にいれば、ほんの何メートルか歩いて蛇口を捻れば水は出るはずです、それを飲めば熱中症で死ぬところまではいきません。
蛇口をひねれないほどあわてるようなことは特殊な例を除けば皆無でしょう。

……とすると、熱中症で死ぬ人は皆自殺志願者だったのでしょうか?……ちがいますよね?

■人間は状況を正しく把握できない(知性は脳の一機能)

人間は自分の状況さえ正しく把握することは出来ないのです。
ですから野外での活動はチームで行うことが原則です、登山などでもリーダーやバディ(2人組)などのチェックがあることで、過労や脱水が防げる事がほとんどです(緊急時にはですから、誰か他の人の顔を見て、その様子で事態を把握してください、その人がパニックを起こしていれば『自分も』パニックを起こしていた可能性が高いのです、そのときは落ち着いて、まず危険から遠ざかりましょう)。

『あなたも』「水を飲まなくてはならないぞ!」という事さえ自分で把握できなくなる、実際に「死ぬところまで」思考力が落ちてしまうことを理解してください。

危険にさらされた時に、脱水や温度変化、窒息によるストレスを受けると脳という『臓器』の働きが落ちてより把握力が落ちます……はっきり言えば『脳』の機能である『知性(思考力)』がなくなってしまうのでより致命的な結果を招きがちです、ですから快適な環境を持つこと(我慢せず服を着る、太陽を避けて物陰に隠れる)、水をきちんと飲むこと、きちんと休憩することは非常に大切です

■備え「緊急時にやることを決めておくことも有用」

ちなみに生半可な知識のある人は「熱中症の死者の殆どが老人である」から「若者は大丈夫」という結論を出してしまいますが、それは違います。

確かに、脱水症状には老人より若者のほうが強いと思いますが、例えば911のとき、多くの生存者がビルの中で事件を受けて、一見落ち着いてネットでニュースを探したり、フロアを右往左往していたと言います(THIN>OBJECTIVEと言えますが、これで2機目の到来や、隣のビルの倒壊などを予測できたとは思えません)。

安全や安心はたゆまぬ努力の上に成り立っている。
安全や安心はたゆまぬ努力の上に成り立っている。

その後、2機目が激突し、多くの生存者は元生存者になりました。
生き残ったのは常日頃から避難訓練を(しかも実際にあのクソ長いビルを走って下りる訓練を)していた人たちでした、彼らは速やかに脱出し難を逃れました。

自分のいるビルに飛行機が激突したら速やかに避難すべきだと思いませんか?
しかし、なかなかそうは行動できないのです(あるいは非常階段の場所が分からなかったのかもしれません……あなたはあなたのビルを歩いて出る方法を知っていますか?そういう意味ではこの事例は備え=Standbyの重要性を示唆していると言えます)。

有事に遭遇したら、”STOP”一度落ち着いて考えたら、やるべきことを”RUN”しましょう。

■STOP(STOP=落ち着く>THINK=状況を把握する、理解する>OBSERVE=状況を観察する>PLAN=計画する)という4ステップ

はじめは、とにかく危機を脱するべきです、STOP&RUN そしてTHINK>OBSERVE>PLAN Doと進めていきます(そして『備え』があれば、PLANとDoは大きく助けられることになります)。

海際にすんでいて、大地震が起これば、まずは高台まで逃げるべきです。

その後に、衣服や住むところ、飲むもの、食べるものを獲得する方法を計画、実行していきます。もしあなたが食料や工具などの資材を自宅の庭などに隠してあればそれは大きな助けになるでしょう。逆に何も無ければ、緊急避難とはいえどこかから盗むしかないかもしれません。

■3の法則

【3分以上窒息すると死に至る。】

【3時間以内に暑さや寒さから逃れなくては行動不能になる。】

【3日以内に水や睡眠をとらなくてはならない。】

【3週間以内に食事を取らなくてはならない。】

これは”計画”を作るうえで基準になる4つの”3″です。

観察し、把握すべき事はつまり「衣食住」ということになります。

ただし、環境によっては「衣住食」かもしれません。

【窒息】これは自力ではどうしようもありませんが、倒れて動かない人がいれば速やかに呼吸と鼓動を確認する必要があります。

【環境・温度】暑さや寒さを甘く見がちですが、人間は温度差に非常に弱い生き物です。
強い暑さや寒さを感じた場合速やかに体の回りに防壁を張り巡らせる必要があります。

簡単なのは服や帽子、大掛かりなものであればシェルター(テントやダンボールハウス、雪洞など)を準備する必要があります。

【飲む・食べる】次は水を確保しましょう、最後は食料です。

■まとめ

まあ簡単に言えば人類は、ライオンではない、腕っ節で世界を取ったのではなく、「知恵」と「相互信頼」そして「計画」で世界を牛耳った生き物だ!ということです。

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